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…
「あ、ここにいたの?菊池くん、課長が探してたわよ。」
ドアを開けるなり結衣子さんが言った。
「なんかやったの?」
「やってねぇわ、聖子ちゃんひどくない?」
とりあえず行ってくるわ、と言って風磨くんは休憩室を出ていった。
「結衣子さん、私結婚することになりました。課長には明日報告するつもりで…。」
「え、そうなの?おめでとう。」
「夏くらいの予定なんでちょっと先ですけど。仕事は続けます。結衣子さんをお手本に。」
「お手本になるかどうか分からないけど、助け合って行こうね。よろしく。」
「はい。これからもよろしくお願いします。」
仕事と家庭の両立は、簡単じゃないって結衣子さんを見てたら分かる。
子供との時間を大切にしたいから出世するつもりもないって言ってて。諦めたんじゃなくて、自分で選択していくその姿はまぶしく映る。
聖子も、自分の人生を選択していくんだ。
そして、紅茶を飲み終わって一人でカップを洗ってると、ラインの届いた音がした。
『俺、異動だって。』
風磨くんからだった。
ただそれだけ送られてきて。
短い言葉の中に彼の戸惑いが伝わってくる気がして。
『いつからなの?西岡くんのところ?』
『うん、来週から。新人も一緒に配属らしいから、今のとこ一人減ることになるね。』
『風磨くん、今日は遅くなる?』
『いや、もうすぐ終わる。』
とにかく話したくて。
仕事終わりで風磨くんとご飯を食べに来た。
「そんな顔しないの。」
「だって…。」
風磨くんは、いたって冷静で。不安や戸惑いが露になる私とは正反対だった。
「だって妥当でしょ俺が行くの。やっぱり男じゃないとあそこの仕事はきついと思うんだよね。」
小鉢の煮物を口に運んで、うまいなこれ、なんて呟く。
「Aがもし異動したら中島が心配して1日50件くらいLINE来るよ。移動距離も長いしさ。」
「…そうかもね。健人心配性だから。」
「だよね。」
風磨くんが異動したら、こんなふうに話す機会も減ってくのかな。
同じ部屋に席はあるけど、全然世界が違うから。
ちょっと、寂しい。
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みち(プロフ) - ゆらさん» コメントありがとうございます！貼れないんですよ〜(笑)何故なんでしょう…また頑張ってみますね。 (2018年6月15日 21時) (
レス) id: 85310a9d6c (このIDを非表示/違反報告)
ゆら - 更新ありがとうございます。これからも楽しみにしてます♪うまく繋がれるように願ってます笑 (2018年6月15日 20時) (レス) id: 7fc9c1c50b (このIDを非表示/違反報告)
みち(プロフ) - イチさん» ありがとう！まじでいつも感謝です！ (2018年6月15日 19時) (レス) id: 85310a9d6c (このIDを非表示/違反報告)
イチ(プロフ) - ねぇ私、早くない？更新されたらすぐにくるww好きですww (2018年6月15日 19時) (レス) id: be08ec388e (このIDを非表示/違反報告)
みち(プロフ) - ゆらさん» コメントありがとうございます。お返事が遅くなってしまってごめんなさい！少し更新しました。結構先を書いてたりするので、どう繋げるのか悩んでます(笑) (2018年6月13日 22時) (レス) id: 85310a9d6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みち
| 作成日時：2018年2月25日 17時
