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…
「…ワインには酔ってないんだけど。」
さっきまでの余韻が残る甘ったるい声で、彼がささやく。
「Aが色っぽいから、酔いしれたよね。」
啄むみたいな、キスをされて。
目を開けると、優しい目で私を見る健人がいる。
この顔、好き。
私の事を好きだと思ってくれてるんだなって感じるから。
「…好き。」
「俺の方が好き。」
「もう、私の方が好きだもん。」
「俺に勝とうと思ってんの?」
だって。
絶対私の方が好きなんだよ。
嫉妬の感情、うまく伝えられないだけで。健人のこと考えるだけでいろんな感情が入り交じる。
「…A、もしかして、なんだけど。」
「なぁに?」
「今日泊まるってことまだ言ってないんじゃない?」
健人の言葉に、胸がきゅっとなった。
「どうして…分かるの…。」
「なんとなくだよ。Aのことは、なんとなく分かるから。」
「ごめん…何度も言うつもりで、でも、言えなくて。今から電話…」
「もういいよ。」
私の言葉を遮る声が、優しくて。
「無理に、とは、言えないからさ。」
優しく抱き締められて。
彼が、時計を確認する。
「…A、そろそろ送ろうか。」
「う、ん…。」
私のせい。
健人と一緒にいたいのに、嘘も上手につけない。
今日は泊まるって、約束してたのに。
「ふっ…」
その時。
笑いをこらえきれずに、健人が突然笑い出した。
「何?どうしたの?」
「A、今日帰らなくてもいいよ。」
「え…?」
どうして?
私まだ、連絡してないのに。
「お母さんに許可、もらってるから。」
きょとんとする私の髪を撫でて。
健人は、得意気に、微笑んだ。
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みち(プロフ) - ゆらさん» コメントありがとうございます!貼れないんですよ〜(笑)何故なんでしょう…また頑張ってみますね。 (2018年6月15日 21時) (レス) id: 85310a9d6c (このIDを非表示/違反報告)
ゆら - 更新ありがとうございます。これからも楽しみにしてます♪うまく繋がれるように願ってます笑 (2018年6月15日 20時) (レス) id: 7fc9c1c50b (このIDを非表示/違反報告)
みち(プロフ) - イチさん» ありがとう!まじでいつも感謝です! (2018年6月15日 19時) (レス) id: 85310a9d6c (このIDを非表示/違反報告)
イチ(プロフ) - ねぇ私、早くない?更新されたらすぐにくるww好きですww (2018年6月15日 19時) (レス) id: be08ec388e (このIDを非表示/違反報告)
みち(プロフ) - ゆらさん» コメントありがとうございます。お返事が遅くなってしまってごめんなさい!少し更新しました。結構先を書いてたりするので、どう繋げるのか悩んでます(笑) (2018年6月13日 22時) (レス) id: 85310a9d6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みち | 作成日時:2018年2月25日 17時