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…
給湯室で、来客用のコーヒーを入れてるとまた例のごとく中島くんが現れた。
「…あの、見てくれました?」
「うん、丁寧に作ってくれてありがとう。」
「そうじゃなくて。」
「あいてます?」
「それです。」
「…あの、やめてくれない?」
「えっ…。」
「付箋。もし先に課長が見たらびっくりするでしょ?」
「あっ、ごめんなさい！あの…今晩、あいてますか?」
「あいてる、けど。あのね、」
「じゃあ俺とデートしてください。」
俺に美味しいご飯を食べさせてください、に和訳。
「うん。」
「やったぁ。じゃあそろそろLINE教えてください。マンション知ってるのにLINE知らないってなんか変じゃないですか。」
「あれ、教えてなかったっけ。」
「…。」
じとーってした目で見つめられて、ちょっとつらい。まぁ、そろそろいいか。
「じゃあ、後でね。コーヒー出さないといけないから。」
「…絶対ですよ。」
「うん。」
話半分に聞いてるけど。中島くんと近くになる前よりも毎日が楽しくなってるのは確かで。気がつけば、中島くんの出勤する日はいつもより手早く仕事を終わらせてる気が、する。
「…ありがとう。いつもごめんね、送ってもらって。」
「全然、Aさんは女の子なんだから、夜一人で帰せません。」
女の子扱い、してくれるんだなぁ。ここ何年かそんなこと言われなくなってたから忘れてた。
部屋の前まで送ってくれた中島くんが、うるうるの目で私を見る。
「…Aさんの部屋ってどんな感じなんですか?」
「んー…シンプルかな。」
「ちょっとだけ見たいんですけど…。」
「ダメだよ。何言ってんの。」
「ですよねぇ…。っと、Aさん雷は怖くないんですか?」
そう言えば、帰る途中からずっと雷が鳴ってる。小さかった音が大きくなってるから雷雲が近づいてきてるのかも。
「怖くは、ないけど。あ、降ってきたみたい。中島くん傘もってる?」
「持ってないです。」
女物だけど黒い傘があるからそれを貸すことになって。手渡すその間も、雨音がどんどん強くなってくる。
「じゃ、お借りします。」
「帰り気を付けてね、おやすみなさい。」
「おやすみなさい。」
ドアを閉めて、部屋の電気を付けて荷物を置いた次の瞬間。耳を塞ぐほどの大きな雷が鳴って。気がつくと、部屋のすべての明かりが消えていた。
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みち(プロフ) - あやさん» あたたかいコメント、本当にありがとうございます。私の大好きな健人くんを書こうと振り切って書いた作品です。やりすぎたかな？と思った日々もありましたが、大切に思っていただけて嬉しいです。ありがとうございます。 (2021年3月24日 23時) (
レス) id: 375937212d (このIDを非表示/違反報告)
あや - はじめてこの作品を読んでから何年経った今でも読みに来ちゃいます笑 ドロ刑の斑目くんで健人くんに落ちた人としては、この作品ほんとに好きで大好きすぎて……こんなに好きな作品を書いて下さってありがとうございます。これからもこの作品を愛し続けます。笑 (2021年3月23日 20時) (レス) id: 9ef94419b6 (このIDを非表示/違反報告)
みち(プロフ) - くまさん» コメントありがとうございます。嬉しいです！いつも読ませていただいてます！ただひたすらワンコのような健人くんを書きたくて作りました。くまさんに褒めていただけて、より頑張れます。 (2018年10月5日 9時) (レス) id: 85310a9d6c (このIDを非表示/違反報告)
くま(プロフ) - みちさんの書かれるケンティーは最高に可愛くて大好きです！これからも頑張ってください！ (2018年10月5日 3時) (レス) id: 88d6776288 (このIDを非表示/違反報告)
みち(プロフ) - はいはいさん» コメントありがとうございます。更新を待っていただけるなんて本当に嬉しいです。これからも短編集のように書いていこうと思ってます。よろしくお願いします。 (2018年9月27日 17時) (レス) id: 85310a9d6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みち
| 作成日時：2018年9月9日 11時
