参拾壱話 「孫？」 ページ33
「違うと自分に証明したい」
強い眼差しで云った彼女に、先刻まで反対していた敦だったが、心を動かされたのか、敦も一緒に社長にお願いした
少女は両手を組みお願いのポーズをしてじっと社長を見つめた後、お願いです……と呟いた
「採用」
「「え！？」」
矢張り社長も可愛いものには勝てないようだ
社長は敦に面倒を見るよう云うと、社長室に入って行った
敦が暫く呆けていると、コンコン、とノックをする音が聞こえた
どうやら警察が書類を届けに来たらしい
「あれ？この前部下が逮捕された箕浦くんじゃない」
乱歩さん、随分と無神経なことを云う
「その娘、此処の関係者か？似た人相の手配書きが来ていた。元孤児の少女で凄腕の殺し屋とか
……世も末だ」
箕浦さんが少女に親や身元を証明出来る物があるか聞く
それに敦が慌て、ツチノコだとかコサックダンスだとか云い始めた
「孫です」
箕浦さんが私の方を向く
「ま、孫？」
「孫です」
「君の…？」
ん……？
「あ、社長の」
するとまたいつの間にか社長が居た
「お孫さん？」
「孫だ」
このやり取りに、探偵社の皆…しかも乱歩さんまでぽかんとして口を開けている
「しかし……」
箕浦さんはまだ信じていないようだが、何を思ったのか信じ出した
2人が無口だからだろうか
なら私でも行けるんじゃ…？
いや、私は作兄譲りのこの赤髪があるから無理だろう
その後警察も帰り、敦と賢治は市警から来た依頼に向かった。
私はクイクイ、と太宰さんの外套の裾を引っ張った。
太宰さんがこちらに振り向く
「あの子誰？」
私は彼女の名前を聞いていない
「ああ、そういえばそうだね。紹介しようか」
太宰さんが彼女をこちらに呼ぶ
「この子は泉鏡花ちゃん。敦くんが助けた子だよ」
「「………」」
私と鏡花ちゃんと呼ばれる子は暫く見つめ合っていた
暫くすると、向こうから口を開いた
「私の名は鏡花…好きな物は兎と豆腐、嫌いな物は犬と雷」
これは私もしないといけないのか…
「私はA。えっと、好きな物は甘い物とか可愛い物……嫌いな物は…苦い物と辛い物で、後は暗闇…とか？」
「おや、A暗いところ駄目なのかい？」
「うん。作兄がいないときは家中の明かりつけっぱなしだった」
太宰さんはへぇ…と短く云った。
因みに太宰さんが帰って来なかったときもつけっぱなしだったから、今月の電気代大変かも
と云うことは秘密だ
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船長 - 九尾と狐が大大大好きでサイコーでした。！これからもコーシンよろしくお願いします (2017年4月29日 16時) (
レス) id: 8b9f7d7cc1 (このIDを非表示/違反報告)
三毛猫(プロフ) - サユキさん» 織田作に妹とか兄弟がいたらどうなるのかなぁと思って作った設定なんです！応援ありがとうございます！ (2016年11月27日 22時) (レス) id: 42d9b51195 (このIDを非表示/違反報告)
サユキ - 織田作妹設定、最高です。何回も読みたくなりますね！応援してます。 (2016年11月27日 19時) (レス) id: af3a803923 (このIDを非表示/違反報告)
三毛猫(プロフ) - Chrisさん» あ、そうなんですね！教えて頂きありがとうございます！何せネットでチラッと見ただけだったので… (2016年11月5日 0時) (レス) id: 42d9b51195 (このIDを非表示/違反報告)
Chris(プロフ) - コメント失礼致します。英語の綴りが気になったので……。Trick 'BUT' treatです! (2016年11月4日 23時) (レス) id: 2c836ec423 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三毛猫 | 作成日時：2016年7月9日 18時
