〇103 ページ8
藤原先輩の凛とした横顔を見ていたら、涙が溢れそうになる。
あかん。泣いたら吹けへんようになる。
今は１年が演奏を支えんと。
思いとは裏腹に、視界はどんどんぼやけていく。
休符のタイミングで、溢れそうになる涙を拭う。
なんとか最後まで吹き切った。
"涙をこらえて 笑顔でさようなら 切ないよね"
"最高の思い出を"
全員が深くお辞儀をし、拍手喝采で幕が下がっていく。
幕が降り切った瞬間、それまで堪えていた涙がぼろぼろ流れる。
みんなも声を出して泣いている。
後ろにいた陽菜と抱き合って泣いた。
「これをもちまして、第３回なにわ第七高等学校吹奏楽部サマーコンサートを終演いたします。どなたさまもお忘れ物がございませんようー…」
大「みんなっ、急いで移動！」
「「はい！」」
本当は思いっきり泣きたい気分だけど、今はゆっくり余韻に浸る時間はない。
ロビーに出て、来場してくださった全てのお客さんをお見送りするところまでが演奏会だ。
部員たちが舞台裏を全速力で走っていく。
ちらほら会場を出て行こうとするお客さんがいらっしゃった。
「「ありがとうございました！！」」
お客さんが目の前を通る度に、何度も何度もお礼を言って頭を下げる。
「こちらこそ、素敵な演奏を聞かせてくれてありがとう」「めっちゃ感動した〜」と声をかけられる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 370人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪(プロフ) - NKさん» NKさん初めまして！返信が遅れてすみません。ありがたいお言葉、とても励みになります！実は丈くん視点のお話も書くつもりで、ただ今構想を練っております…時間がかかるかもしれませんが、引き続きお楽しみ頂けるように頑張りますね！ (2022年12月22日 19時) (
レス) id: 01aa64d0d1 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - kkさん» kkさん、返信が遅れてすみません…嬉しいお言葉ありがとうございます＊解釈が一致して嬉しいです〜！！流星くんホルン謙杜くんクラは真っ先に決まりました（笑）引き続きお楽しみ頂けるよう頑張ります！ (2022年12月22日 19時) (レス) id: 01aa64d0d1 (このIDを非表示/違反報告)
NK(プロフ) - 初めまして。私も学生時代吹部だったので、懐かしさもあり楽しく拝見しました。それぞれのパートも納得です！番外編も楽しみにしています。丈くん視点での付き合う前(男子で集まっていたときのエピ等)のお話も読んでみたいです。 (2022年11月26日 15時) (レス) @page23 id: 689df7c616 (このIDを非表示/違反報告)
kk(プロフ) - こんばんは！私も学生時代、吹部だったこともありとても楽しく一気に読ませて頂きました！丈くんとの掛け合いも可愛くて大好きだったのですが、個人的に流星くんがホルンで謙杜くんがクラなのが解釈の一致すぎました！引き続き番外編も楽しみにしております❤︎ (2022年11月26日 1時) (レス) @page23 id: 797470a670 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪 | 作成日時：2022年11月24日 0時
