〇51 ページ3
前の学校の演奏が終了し、いよいよ自分たちの出番。
自然と背筋が伸びる。
係の人に促され、真っ直ぐ前だけを見つめて舞台袖から自分の席まで歩いていく。
舞台に出た瞬間、ライトに照らされ少し体温が上昇した気がした。
ひな壇を一段上がり、一番端の自分の席を見つけて腰掛ける。
振り返りはしないけど、視界の右端で藤原先輩、後ろに陽菜の気配を感じた。
楽器を一旦自分の横に置き、譜面台に楽譜をセットする。
舞台から見える客席は暗いけど、じっと目を懲らすと意外とお客さんの顔がしっかり見えてくる。
自分たちに向けられている無数の視線。
審査員の方々の目力は特に鋭い気がする。
肩に力が入りそうになったので、客席から目を逸らし、あくまでも平然を装って楽器を膝に置く。
「プログラム７番、なにわ第七高等学校。課題曲IVに続きまして、自由曲J.シュトラウス�鏡ず邏福次帖�
アナウンスが流れ、先生が客席に深くお辞儀する。
客席の拍手の音が、なんだか遠くで鳴っているように感じた。
先生はこちらに向き直りひとりずつに目線を配る。
目を合わせたら、なんだか良い意味で肩の力が抜けた。
"さあ、今から楽しい音を奏でよう。"
深呼吸をひとつし、マウスピースをそっと口に当てる。
先生が無言で頷き腕をサッと持ち上げると、みんな楽器を構えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 252人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪(プロフ) - たみ子さん» たみ子さん☺️コメントありがとうございます🙏🏻✨️ギュンギュンしていただけて嬉しいです😍更新頑張ります💪🏻 (2022年11月23日 19時) (
レス) id: 01aa64d0d1 (このIDを非表示/違反報告)
たみ子(プロフ) - 初めまして！作品拝読しました！もう胸がギュンギュンします😭💕更新応援してます！ (2022年11月21日 10時) (レス) @page12 id: d3f29142ac (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪 | 作成日時：2022年11月19日 21時
