スッキー!!! ページ11
そのときの明光さんの自分の事を責める表情を見て、私はその先を聞きはしなかったけど、大体の予想はつく。
蛍くんは全力で何かを頑張るのを“カッコ悪い”と思っているようだけど、バレーが上手いのと下手なのどちらが“カッコイイ”かなんて、カッコイイ蛍くんならすぐに気付くはずだ。
ただ、それを気付かせるキッカケはきっと私ではないから、その代わりに蛍くんを支えるのは私でありたいと思っているから。
なんとなく、気まずくなってしまった部屋に呼び鈴が響いた。
月「…誰ですか?」
蛍くんがため息をひとつ落として扉を開けると、
日「おーい!月島!タオルとってくれ!」
影「俺のも頼む」
日向の元気な声と影山くんの不機嫌そうな声(安定らしい)が聞こえてきた。
月「はいはい。」
蛍くんはとてつもなく嫌そうな顔をしながらも2人のバックからタオルを取り出し渡す。
ちなみに私は入口からは見えない所にいるので、特に何かがあるわけではないがなんとなく息を殺して待機してしまう。
2人のありがとうの声が聞こえてから、扉が閉じる音がしてほっと息を吐く。
『2人はこれからシャワー?』
月「うん。そうみたい」
『じゃあ15分も無いね。』
戻ってきた蛍くんに私は少し残念そうに言う。
さすがに他校の人達(しかも部屋の主)の前でイチャイチャ出来るほど神経が図太くは無いのでそろそろ部屋に戻ることにする。
『じゃあ戻るね』
月「部屋まで送るよ」
『んーん。玄関まででいいよ!』
結構頑なに部屋まで送ってくれようとする蛍くんだが、見るからに顔に疲労が出てるのが分かるので、本当はギリギリまで一緒に居たいが玄関を出る前にくるりと振り返ると、
チュッ
月「っ!///」
『えへへ!おやすみ!!』
蛍くんの肩にかかっていたタオルをグイッと引っ張って蛍くんの頬に口付けた。
真っ赤になって固まった蛍くんをそのままに私は玄関を飛び出して部屋に向かった。
(私からしちゃった!)
口ではないが、私からキスをするのはたぶん初めてだったのでドキドキする胸を抑えながら、可能な限り早足で廊下を歩く。
そして、廊下の角を曲がった所で
山「…あれ?陽菜ちゃん?」
『山口!お疲れ〜』
少し元気が無さそうな山口に会った。
山「ツッキーに会ってきたの?」
『なんで分かるの!?』
山「ほっぺゆるゆるだよ笑」
ふふ、と柔らかい笑みを浮かべて私を見る山口はやはり何か考え事をしているようで、
『山口何かあった?』
と思わず声をかけてしまう。
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ゆゆ - 一気に読んじゃいました…更新楽しみにしてます!! (2021年1月20日 22時) (レス) id: e5bc294a32 (このIDを非表示/違反報告)
甘露寺 - 更新されてなくてもうそろそろ限界でーすので戻ってきてくださーい(土下座) (2020年5月5日 20時) (レス) id: 952a700b40 (このIDを非表示/違反報告)
好美(プロフ) - 是非続きがみたいです! (2019年7月23日 13時) (レス) id: b92883c948 (このIDを非表示/違反報告)
美央(プロフ) - さっきお気に入り登録した直後に更新!ありがとうございます!ちまちまでも更新待ってます、頑張ってください! (2019年1月20日 23時) (レス) id: 18377afcbc (このIDを非表示/違反報告)
kona0801(プロフ) - 全部読みました(>_<)とっても楽しくてもっと読みたいとおもってしまいました!更新楽しみにお待ちしております! (2018年8月29日 19時) (レス) id: fae73e50fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朔 | 作成日時:2018年3月4日 18時