あなたを好きになりました

1 ページ1

「たくちゃーん！仕事遅れるよ！急いで」

「分かってるって！じゃ行ってくる。A、今度俺のやってるアフレコ見学しない？」

「えー行かない。興味ないし」

「そんなこと言うなよー兄ちゃん悲しいじゃん。1回だけでいいから来てみなよ。楽しいぞ？」

「分かったよ。じゃあ1回だけね」

「じゃ今度うたプリのアフレコあるからそのときになっ」


私の兄は声優。
そしてシスコン……
なにかと付きまとわれて困る。
でも声優に全く興味がないから誰一人として名前を知らない。
そして私の兄は声優である寺島拓篤。

そして今日、たくちゃんとの約束でアフレコを見学する日が来た。


寺島「おはようございます」

下野「あ、おはよーたっくん。あれ？隣の可愛い子誰？もしかして彼女？」

寺島「違いますよ(笑)妹です。今日アフレコ見学するのでよろしくお願いします」

下野「そうなんだ。はじめまして。下野紘です。よろしくね」


そう言って下野さんは微笑んでくれたけど、実は私は男性が苦手でたくちゃんの後ろに隠れてしまう。


A「は、はじめまして…Aです…よろしくお願いします…」



下野「ねぇたっくん、Aちゃん暗いけど体調悪いんじゃないの？連れてきて大丈夫だったの？」


俺はAちゃんの顔色が良くないのに気付いてたっくんに聞いてみた。


寺島「あー……Aは男性恐怖症なんですよ。なので、話すときは少し距離を置いて話してください。実はそれを治してほしくて今日連れてきたんです」

下野「なるほど。じゃあ協力するよ。他の人には俺から言っておくから」

寺島「ありがとうございます」

A「たくちゃん、こそこそと何話してるの？」

下野「た、たくちゃん？え？兄妹だよね？名前呼び？」

A「親が小さい時から名前で呼んでたので私もそう呼んでるんです……」

下野「なるほどねー」


憂鬱…
アニメに興味ないからうたプリに出る人調べたらほとんど男性ばかり……
男性ばっかなら行かなかったのに……
たくちゃんに騙された……
早く帰りたい……

2→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す