3代目メカクシ団は夏を変えろ ll (ページ11)

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目で垣間見る話ページ11

ベッドの上で、今日も今日とて、俺は退屈な時間をやり過ごしていた。枕を垂直に投げてはキャッチするというのも、最初は楽しいけど段々と飽きてくるものだ。

やっぱり来世を信じてはいるものの、こんなに毎日平凡だと、気が遠くなってくる。
来世は一体いつ来るんだろう＿＿

「……っえぇ??!!」

久し振りに、不意な声を出した気がした。
なんと、なんと。

＿＿時空が裂けていたんだ。
この表現が正しいのかはわからないけど、俺が知っている限りだとこの言葉が一番相応しい。
寝返りをうったら、いつもはただ真っ白な空間の一部から、光が染み出ていたのが見えたんだ。まるで、岩場が地割れしているみたいに。

「う……嘘……」

得体の知れない光だ。数年振りに見た光だ。こんなに驚いたのも、こんなにわくわくしたのも、生まれて初めてかも知れない。

今直ぐにでも触れてみたいけど、一回よく考えてみよう。この光に触れたら、一体どうなるか。
火傷するかも知れない。
爆発するかも知れない。
今より辛い場所に行ってしまうかも知れないし、来世が待っているかも知れない。

……わからない。……でも。

「希望は、ある、よな」

手を伸ばす。たった少しの希望だとしても、俺はそれから目を逸らす方法を知らない。
胸が弾む。とにかく、やってみないと気が済まない。

まるで、友達の手を取るみたいに。
まるで、暗闇から脱出するみたいに。
手を伸ばす。また、ユウヤと、ルイルイと、笑って話すために。

「……へ？」

ふっと、光が消えた。空間の裂け目がぱっと閉じられて、またいつものように真っ白な空間が広がる。
慌てて光があった地点に触れようとしても、ミストを潜るような感覚しかない。

間に合わなかった、ってことか。

「……ッ」

まさか、タイムリミットがあるとは思わなかった。どうしようもない後悔に駈られて、伸ばした手をベッドに放り出した。口から、気怠さが零れた。

でも。
まだ、諦めたくない。また同じようなことはあるかも知れない。何にせよ、これは確かな進展だと俺は思っている。

希望は捨てない。視線は上げておく。垣間見た空間の裂け目を、あのあまりに輝かしい光源を、忘れないように。
目を閉じてベッドに潜ると、まだ瞼の裏に光(希望)が残っていた。