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目を見詰める話 ページ2

「はぁ〜……」

自室のベッドにダイブし、そのまま沈むように枕に顔を埋める。

あの時のことは出来るだけ思い出したくないけど、畑違いだった僕を迎えてくれた団長の提案だ。僕の能力なら暴発してもあまり困らないだろうし、考えるしかない。
それに、本題は後者__「考えられることは考えること」だ。ユウヤ君はきっと、前を向くために一旦振り返れと言っているんだろう。

寝返りを打ち、暖色の裸電球がぶら下がった天井を見詰めつつ考える。
思い出せることは、仕事帰りに可愛ちゃんと二人で事故に遭ったこと。
考えられることは……

「……駄目かぁ」

結構な事故だったらしいのに、僕はほぼ無傷で可愛ちゃんは行方不明。なんとも不可解で、遣る瀬無くてもどかしい。考えられる打開策なんてなくて、僕は湿っぽいため息を一つ溢した。それさえが静かな部屋にすっと溶けてなくなった。
いつの間にか何処となくぼやけた視界を拭うと、また目が合うのは裸電球と天井だけだ。

そういえば、ゆりりんへの情報伝達を頼まれていたんだっけ。僕はゆっくりと起き上がり、手梳で髪を整えてから部屋を出た。
そして、いとも容易くお隣であるゆりりんの部屋に到着。

「ゆりりん、僕だよ〜」

もし睡眠中だったら悪いな、と思いつつも軽いノックを加える。
「思い出せることは思い出して、考えられることは考えておいて欲しい」ということを伝えるためなのは勿論、僕にはもう一つの目的があった。

一人なら考えられないことも、この団の誰かとなら考えられる気がしたのだ。
一緒に考えて貰おうなんて緩いことを考えながら、僕はゆりりんからの返答を待った。

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作者名:3代目メカクシ団/企画:キリカゲ | 作者ホームページ:無いのだ!  
作成日時:2019年10月8日 16時

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