マーキング【mfmf】 (ページ2)

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センラ君はAと同じクラスの、A曰く「友達」。恋人(になる予定)の僕よりAが笑顔なのは気のせいじゃない。

「あ、おはよまふ君。今日もAと来たん？毎日ご苦労様やねぇ」
「好きでやってるから苦労してないよ！」
「まふ、いつもお迎えありがとうだよ〜！」

絶対A僕とセンラがお互い牽制してるのに気付いてない。幸か不幸か。長所だしそこも好きだけど、僕の告白には気付いてほしいかな。

「ごめんなんやけど、昨日のノート見せてくれへん？」
「全然良いよ！確かにセンラ、昨日休んでたもんね？」
「覚えててくれてたん？嬉しいわぁ。ま、サボりやけど」

センラ君はたまにサボる。別のクラスの僕がなぜ覚えてしまっているのか、少し悲しくなる。

それだけAの口から彼の名前を聞くから、知っている。

「じゃあね、まふ！帰りも一緒に帰ろうね！」
「うん、絶対だよ」

ちゃんと僕は、いつもの僕の顔でいられたかな。
＿＿＿

昼休み、やっとAに会える時間。１０分休憩の時も会いたいのに、移動教室が重なって一回も行けなかった。会いたさの余り昼食もほとんど食べずに、早々に教室を出ようとする。

「まふ、今日もAちゃんに会いに行くん？大好きすぎやろ……」
「さかたん分かってるならドア開けさせて！！」

なぜこのタイミングで邪魔してくるのか。普段なら茶番で済ませられるけど、Aが絡むと何をしでかすか、自分でも分からない。

「たまには会わない時間も大事やって。な？」
「僕Aを摂取しないと死ぬ！！」

漫才をしている場合じゃないのに、どうしても通す気はないらしい。なんでこんなことするのか全く分からない。……仕方ないな。

ポケットから万能ナイフを取り出そうとする。
一回くらい切ったって、Aを僕から剥がすことより罪じゃないよね？

さかたんにナイフを向けようとした時。
キーンコーンキーンコーンと、休憩を終えるチャイムが鳴ってしまった。

会いたかったのに。会いたかったのに。
＿＿＿

放課後、Aを迎えに昇降口に行く。いつもの所という特別感溢れる場所。今日あったこと、さかたんに邪魔されて会いに行けなかったこととか色々話したくて仕方ない。

うっすらAの声が聞こえる。誰か友人といるのかな。特に考えずにAに声をかけようとして、喉元で引っかかった。誰といるのか分かってしまったから。

「A、帰ろっか」
「うん！帰ろう、センラ」