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「ねぇ、」
ふとした静寂の中で、夜風にのったベクの声が私の元へと届く。
『ん？』
「俺らもしてみる？」
『なにを？(笑)』
主語もなんにもないベクの言葉に、私は少し笑ってベクの方を見た。
ドクン
あぁ、まただ。
また、私の心臓が締め付けられる。
真剣な目をした男が、私をじっと見つめて離そうとしない。
「目、瞑って」
『なんで…？』
「いいから、はやく」
急かされるまま瞑った目に、自然と力が入る。
キスされるんじゃないかと淡い期待が過って、調子に乗りすぎだと自分に言い聞かせた。
「いいよって言うまで開けちゃダメだから」
ベクは私の腕を掴むと、その掌に冷たくて重いものをポンと乗せた。
「いいよ、開けて」
甘ったるい声が耳にかかって、
『なに、これ？』
ゆっくり目を開けたら、赤いハートの南京錠が私の手の中にあった。
「Aと付けようと思って。やだ？」
『っえ、…』
南京錠…
これ、恋人同士がかけるやつじゃないの？
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zuyugo(プロフ) - こんばんは(^^)いつも楽しみにしています、続きがいつも気になります…！切ない感じが大好きです！応援してます(^-^) (2019年1月29日 20時) (
レス) id: 53905cc901 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るるり | 作成日時：2018年12月12日 14時
