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あの後、ベクが予約してくれた個室レストランでフレンチを食べて、それから私達はタクシーに乗り込んだ。
結局、ベクは最後まで私にお財布を出させなかった。
罪悪感が残ったままの私は、タクシーの窓から外を眺め、不思議な感覚に浸っていた。
そういえば、ベクと初めて出逢った日も、私たち2人はタクシーの中でこうして揺られていた。
今はもう懐かしい記憶になってしまったそれに少しだけ口角を緩めた私は、隣の方に顔を向け、
『っ、え…(笑)』
窓にもたれ、心地好さそうに眠るベクを見つけた。
寝てるし…(笑笑)
よっぽど疲れていたんだな。
白く滑らかな肌に栗色の髪がかかり、耳を澄ますと、ほんの少しだけ聴こえる寝息。
本当に、天使みたいな顔で眠る人だ。
天使のように綺麗だ。
今、自分がこの人の隣で、
寝顔すら見れるこの距離に居られるだなんて。
あの日の私には、想像もできなかっただろう。
今も、ほんとに夢を見てるみたいだ。
夢なら覚めなきゃいい。
このままずっと、止まることのないこのタクシーに揺られていたい。
ベクの隣で…
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zuyugo(プロフ) - こんばんは(^^)いつも楽しみにしています、続きがいつも気になります…！切ない感じが大好きです！応援してます(^-^) (2019年1月29日 20時) (
レス) id: 53905cc901 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るるり | 作成日時：2018年12月12日 14時
