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「…っまだ、大丈夫ですか？」
扉の後ろから現れたのは、紛れもなくギョンスさんだった。
『あ、はい、いらっしゃいませ！』
馬鹿みたいに弾んだ声が、静かな店に響く。
「あー、じゃあ俺、裏の仕事してきまぁす」
嬉しそうに声を上げたリン君が、わざとらしく私にウィンクをすると、そそくさと裏の事務所に戻っていった。
ふたり。
今、この店内にいるのは、
私とギョンスさんの、たった2人。
鼓動が速くなって、息が切れそう。
「すいません、遅くなっちゃって」
でも、ギョンスさんはきっと、そんな私に気づいてない。
『いえ、あの、もう今日は、来ないんじゃないかって思ってました』
「あ、そうですよね…なんか、閉店ギリギリに来るって迷惑でしたよね、すいません」
すいません、か。
折角来てくれたのに、ギョンスさんは少し眉を下げ申し訳なさそうに謝った。
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作者名：るるり | 作成日時：2018年4月28日 12時
