人魚姫2 (ページ3)

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アパートの扉を閉めた途端、とてつもない悲しみが降ってきて、私はその場に蹲った。

お父さん…

お母さん…

ギョンスさんといると、あの頃の温かい気持ちを取り戻しそうになる。

ふとした瞬間、泣きそうになる。

はぁ、ダメだな私。

どれくらい経ったのか、すごく長い時間その場にしゃがんでいた私は、深いため息を落とすと残り少ない力で立ち上がった。

冷蔵庫のミネラルウォーターを一口飲んでからベットに横になると、スマホにちょうどメッセージが来ていた。

「もう寝た？俺はまだ起きてるよ」

送り主は、ビョン・ベクヒョンだった。

驚きで声が出ない。

まさか、本当に連絡くれるなんて。

なんて返せばいいか分からない。

でも、早く返さなきゃ…

悩んだ末、

『私もまだ起きてます』

こんな質素な返信になってしまった。

それでも、次にその人が送ってきたのは

「電話したい」

の一言で。

頭が真っ白になる。

どうして、私なんかと？

まだ２回しか喋ったことがないのに。

連絡先だって、ほんの数時間前に交換したばっかりだし。

それなのに、頭で考えるよりもずっと早く手が動く。

『はい』