人魚姫1 (ページ4)

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いま、私の目に映っているその人は、

私が今日まで出会った人の中で一番美しく、

私を惹きつけるオーラのような、フェロモンに似た甘い香りを身に纏っていた。

それはまるで、絵に描いたように忠実な天使。

その人は心配そうに眉を下げると、何度も私に괜찮습니까？と繰り返した。

私は、その人の瞳に入り込んでいる自分の姿を見つめながら思う。

今日はとても長い夢を見ているな、と。

右か左か、どこからともなく聴こえてくる知らない音楽に耳を傾けながら、私はその人の後ろを眺めていた。

生まれて初めてだ、こんなにも空が綺麗だと感じたのは。

夕日が傾き、オレンジがぐっと濃くなったそれは、気を抜いたら涙が零れそうで。

そのくらい美しくて。

私の持っている言葉では表せないような、体の奥で波打つようにあったかいものが溢れ出す感覚に陥って。

目が回る。

視界が歪む。

頭が、ひどく痛い。

「괜찮습니까！？」

さっきまでの綺麗な声が、ひどく動揺した声に変わった。

どうしたのだろう、私は、その人に焦点を合わせた。

視線が、ぶつかる。

瞬間、その人のゆるく巻かれた栗色の髪がふわりと風に流され、そこにできた天使の輪がキラキラと輝いていたから、私にはその人が、本当の天使のように見えた。