こんな人生って2

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健「Aちゃん」


「はい」


席に戻ると、すぐに健さんに話しかけられた


健「これして欲しいんやけど
終わったら臣に渡してくれる？」


「…臣さんですか？」


健「うん」


「あ、はい。分かりました」


怪しまれないようにすぐにOKの返事をした


渡された資料を見て

なんでこんなこといつも頼まれないのに
こんな日に限って頼むんだ、と健さんを恨んだ


チラッと健さんを見ると
忙しそうにパソコンと向かい合っている


くそう…しょうがないやるか…


そう思いながら無意識に周りを見ると
臣さんと目が合ってしまった


臣「………」



……っ！



私は咄嗟に持っていた資料で顔を隠した


「やば…」


パソコンに目を向けて
自分を小さく、存在を消しながら仕事を進めた


てか、これ臣さんに渡さなきゃいけないんだった…






10分程すると頼まれた仕事が終わった


これを…臣さんに…


健さんを見るけれど、まだまだ忙しそうだ



あ……！


「あのぉ衣川さん」


唯一、私より後から会社に入ってきた
衣川さんに頼むことにした


衣「はい」


「この資料、登坂さんに渡してもらえる？
ちょっと“とても”急ぎの仕事しなきゃいけなくて…」


ごめん…！！
全っ然急ぎの仕事なんてないけど
こんなこと頼んでほんとごめん！！！


衣「わかりました」


「ごめんね！渡すだけでいいから！」


衣「はい」


はぁ〜いい子で良かった

私より後に入ってきてくれてありがとう！


衣川さんに感謝をしながら資料を渡して
そろ〜っとまた存在を消すように自席に戻った


すぐに臣さんに渡しに行ってくれた様子の衣川さん


けれど
気のせいだろうか……

ジリジリと臣さんの視線がこちらに……

いやいやまさかね……


確認することは出来かねるので
私の勘が正しければ…全力でシカトするまでだ



とりあえず一山越えたぞ…！



















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