こんな人生って (ページ16)

今日:9 hit、昨日:4 hit、合計:33,416 hit

16 ページ16

.

危なかったね、と言いながら
その段ボールを奥の方に押し込んでいる臣さん

「ありがとうございます」

1人だったら完全にアウトだったな…こわ…

臣「適当に置くなっての」

ほんとにもう…と、上の方に置いてある
他の荷物も落ちて来ないように整理している

それにしても…臣さん…背、高いなぁ

健さんも高いけど
臣さんには男を感じ…

って、いやいや何を考えているんだ私は

臣「戻ろっか」

「あっ、はい！」

声をかけられて
ハッと意識を戻した

莉「それって好きなんじゃん？」

「え？」

華の金曜日

また莉沙と和味に飲みにやってきた

莉「だってそれしかなくない？」

「いやいやいや…」

臣さんが最近男に見えるなんて話を
私は特になんの意味もなく莉沙に話していた

莉「男に見えるって男として見てるじゃん」

「だって男だもん。女じゃないじゃん」

莉「いやそんな論理的なこと言ってるわけじゃなくてさ」

そりゃ素敵だなって思うことはあるけど…

多分それはみんな思ってるじゃん？
会社のみんなが思ってることだよ

健さんだって思ってるよ、きっと

「莉沙だって臣さんのこと素敵だなって
思うことあるでしょ？」

莉「あるよ。あるけど、
男として見てるかって言われると違うんだよな〜」

男として…

莉「ドキッとかするでしょ」

「…するでしょ」

そりゃするでしょ

莉「それだよ、それ！別に私しないもん」

え、私だけなの？

莉「臣さんのこと思い出したり？考えたり？」

「………」

莉「するんでしょ」

そう言ってニヤニヤしている

「でも莉沙も臣さんのことかっこいいって」

莉「そりゃかっこいいでしょ！」

「でしょ？」

莉「イケメンにはイケメンって思うよ
俳優見てかっこいいって言うのと同じだよ」

私の場合はね、と最後に付け加えた

.