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紫耀くんの言葉に
なんだかよく分からない感情で
また涙が出そうになって下唇を噛んだ
紫「泣くなよ」
「…っ……」
紫「唇も噛むな。痛いだろ」
さっきとは違う優しい口調になった紫耀くんは
私の頭にポンっと手を置いた
「っ……ごめっ……」
紫「…うん」
廉「いたよー」
涙が止まったところで
廉くんの声が聞こえて振り返ると
菜「Aー！」
廉くんの後ろから菜々の姿が見えた
「菜々！」
私達は駆け寄り、思わず手を取り合った
菜「大丈夫だった？！」
「うん、菜々こそ」
菜「私も大丈夫！」
「よかった」
菜「先輩のところ戻ったらAも戻って来てるかも思ったのにいないし心配したんだから！」
「ごめん…なんか男の人たちに捕まってて「え？！」
菜「なにもされてない？！」
「うん、大丈夫」
菜「ほんとに？！」
「うん。笑」
菜「よかった〜」
大袈裟に心配してくれた菜々に少し笑った
廉「終わった？」
私たちの様子をニコニコ見ていた廉くん
「あ、ごめん。廉くんもありがとう」
廉「いいえ〜」
菜「え、てか平野くんもいるじゃん！」
紫「…ども」
「助けてもらった」
菜「そうだったんだね」
もし紫耀くんがいなかったら…
見つけてもらえなかったら…
そう思うと身震いした
廉「これからどうすんの？戻んの？」
いや、もう…
紫「帰る」
廉「いや紫耀に聞いてないけど。笑」
紫「帰らせる」
菜「まぁ、うん。帰るよね」
「うん」
早くここから出よう
菜「2人も帰るの？」
廉「ん？あーちょっと用あっただけだからね」
菜「へぇ…女の子漁りにでも来たのかと」
私も少しそう思ったけど
女はめんどくせぇとかなんとか言ってたっけ
廉「来ないよ〜こんなところに」
わざわざここに来なくても
女の子達は寄ってくるしね。笑
お店を出るとそこには
‘大人の夜の世界’が広がっていた
まだ私たちには来るのが早かった
そう痛感した
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作者名：おどぅん | 作成日時：2023年5月23日 10時
