金色の君 (ページ24)

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その声の主に私は目を見開いた

と、同時に
頬に何か伝う感覚がした

紫耀くんだ………

それに廉くんもいる……

廉「え、なんで泣いて…」

そう廉くんの言葉に
自分が泣いていることに気づいた

紫「…ごめんけど、この子もらうね」

いつの間にか私の前にいた紫耀くんは
私の腕を掴み一緒にいた男2人にそう言った

男「は？」

男2「いやいやお前ら「まじでごめん！」

そういう男の話を遮ったのは廉くんで
必死に謝っていた

その行動にポカンとした男2人は何も言わず、
去る私たちを見ているだけだった

無言のまま
紫耀くんに掴まれている腕が妙に痛い

そして安心と不安が混じって変な感覚

「紫耀くん痛いっ」

そう言うと人通りの少ないところで立ち止まった

掴まれた腕を見ていると
上から聞こえて来た声

紫「なんでこんなとこにいんの？」

「えっ」

その声に顔をあげると
紫耀くんと目が合い、その目は鋭い目をしていた

思わず逸らすと

紫「だからなんでここにいんのって聞いてんの」

なんでって…

紫耀くんの態度に
親に怒られてしょんぼりしている子供のような私

「菜々の先輩に呼ばれて…」

紫「は？」

あ、そうだ

「菜々もここにいるの！」

紫「…廉、探してきてくんない？」

廉「誰それ」

いつの間にか後ろにいた廉くん

紫「写真とかないの？」

「あぁ、写真…」

携帯を取り出し菜々の写真を廉くんに見せた

廉「あーなんか見たことあるわ」

そう言って走っていった

2人きりになったこの空間

嬉しいはずなのに今は居心地が悪い

あの時から久々話すし…

紫「先輩に誘われたってなに？」

また話を切り出したのは紫耀くん

「菜々の先輩に誘われて」

紫「…誘われても来んじゃねぇよ、こんなとこ」

そんなの紫耀くんには関係ないし

そもそも紫耀くんだって…！

紫「なに？」

私が何か言いたそうにしていたのが伝わったのか
イライラしているような口調で聞かれた

「紫耀くんだって…「俺は用があって来ただけ」

紫「さっさと済ませて帰ろうとしたらお前いるし」

「………」

紫「呼んだら泣き出すし」

「………」

紫「意味わかんねぇだろ」

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