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菜々……
こんなところじゃ携帯の電波もなくて
最悪だ…………
男「何歳？」
今はそんなことどうでもいいんだけど…
そう思いながらもシカトするのもどうかと思い
18です、と答えた
男「若いね〜いいね〜」
男の話なんか半分聞いてなくて
私は必死に菜々の姿を探していた
男「名前なに？」
「A…」
男「Aちゃん？かわいいね」
「……」
男「モテるでしょ？」
「別に…」
男「なんか飲む？」
「……」
男「お酒飲んだことある？」
あるわけないでしょ……
18って言ったじゃん…
「いや…」
男「え？なに？」
私の声が聞こえなかったのか
顔を近づけてきた男
私はびっくりして
咄嗟に距離をとった
男「なに？俺のこと嫌？」
そう言いながら
今度は私の肩に腕を回して来た
「ちょっ…」
男「いいじゃん。仲良くしようよ」
男2「え、なにお前。捕まえたの？」
男「あ、おう。可愛くね？」
なに…
この男の友達なのか
確かに可愛い、と
私の顔を覗くその友達らしき人
近いんだけど……
もう…菜々どこ…
やっぱり探しに行った方がいいんじゃ…
うまくこの男に言いくるめられた気がし始めた
男2「てか、この子1人なの？」
男「いや友達もいたんだけどさー」
「あの、私やっぱり探してきます」
男「いやだから待ってた方がいいって」
「でも…」
男「お互い迷っちゃうよ？」
確かに初めての場所で
どこになにがあるんだか分からないけど…
菜々とはぐれてしまってから10分が経とうとしている
あぁ…なんか泣きそうになってきた
こんなところ最初から来るんじゃなかった………
そう思いながらも
泣くもんかと下唇を噛んで耐えた
男2「何歳？若そうだよね」
いまだに2人に囲まれて質問攻めされている私
男「18だってよ」
男2「はー！わけぇ！」
なんかもう答える気力も無くなってきた
男「Aちゃん？」
名前を呼ばれても
その男を見ることはしない
男「ね、これからここ出てさ」
私の何を気に入ったのか
ここを出るように誘ってきた男たち
男「知り合いのお店あるんだけど「A？」
私の名前を呼ぶ声が聞こえた気がして
なんとなく俯いていた顔を上げた
？「え、ほんとにAちゃんじゃん」
え、嘘…………
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作者名：おどぅん | 作成日時：2023年5月23日 10時
