金色の君 (ページ18)

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あの階段に着くと
平野くんはいつもの場所に座った

私も隣に座ると
ポケットに入れていた携帯が震えた

菜々どこにいるの?

あ、菜々に何も言ってなかった

菜々一応、先生には保健室って言っておいたけど

菜々、ありがとう…

できる女…！

Aごめん、ありがとう!また後で説明する🙏🏽

菜々了解🫶🏼

紫「友達？」

「あ、うん」

今の状況に意識を戻した私は
携帯をポケットに入れた

「先生に言っといてくれたみたいで」

紫「ふーん、いい友達だね」

「うん」

紫「てか、暑くない？」

「あー暑いね。笑」

完全に夏に入った今

ガンガンにこの場所を照らす太陽

紫「こっち」

そう言って立ち上がった平野くんは
階段を降りていく

私も後をついていくと
影になっているところまで降りてきた

紫「まだマシじゃない？」

確かに風もあってなかなか涼しい

「ほんとだね」

なんだか誰にもバレることがなさそうで
2人だけの空間な気がしてドキドキした

紫「海人のさ」

「あ、うん」

海人くんの名前に少し動揺した

紫「彼女のふりでもした？」

え、なんで分かったんだろう

「…そうだよ」

私が肯定すると
またか…と呟いた平野くん

紫「あいつまじで…」

「…前にもあったの？」

紫「ん、まぁ…巻き込むなっつってんのに」

たまたま通りがかった私は
いいように利用されたわけか…

紫「まじでごめんな？」

そう言って申し訳なさそうな顔で私を見た

「っ…」

私も平野くんを見るとバッチリと目が合い
恥ずかしくなって咄嗟に前に向き直した

「うん、大丈夫。海人くんもごめんって言って…」

…たっけ？

まぁ、とにかく

「大丈夫！平野くんが謝ることじゃないし」

勝手に1人ドキドキしている私は
焦って少し早口で言った

言ったのに
平野くんからの言葉がなくて少し無言の時間

私、なんか余計なこと言った…？

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