【ヘタリア】え、私の性別…気づいてなかったの?【逆ハー】

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「ねぇA」


『はい、何ですか』




夕日をバックに、フランスは手をさしのべた。


「休憩がてらに俺ん家こない?」と誘う。


一応時間はまだたっぷりある。


「彼のところにお邪魔してもいいかな」と


何も疑わず、その手をとった。


フランスは喜びの笑顔を見せ


彼女の手を引きながら自宅へ向かう。



家に着くなり、ガチャと玄関をくぐる。




『あの、電気は点けないのでしょうか』


「うん、今は点けなくていいの」




台詞と同時に、彼は彼女を抱き締めた。


夕日がさしこむものの、影で彼の表情は見えない。


今まで見せなかった女性への扱いに


顔を紅くするA。


フランスの息が耳にかかる。




「ゴメンね」




そういって彼女の首筋に軽い口付けをする。


彼女の顔は驚きと恥ずかしさでいっぱいだ。


フランスの「ゴメン」には


今まで気づかなかったことの謝罪と


今からやる行為のことの謝罪だ。



キスマークはさすがにつけないが、一応ね。




『えっと、フランスさんっ?』


「ゴメンね、俺ん家の『いらっしゃいませ』の挨拶なんだ」



『そ、そうなんですね…』




フランスの行動に好意はなかったのか


と、先程顔を赤らめた自分を殴りたかったA。




「ま、後は何もしないから安心して!」


『…電気点けなかったのはこの為ですか?』


「ん〜、、教えない♪」




「本当はちょっと意識してもらおうと思ってた」なんて


まだ彼の口からは出せなかった。


そして、先程の行為が挨拶じゃないことも


まだ…。




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