【ヘタリア】え、私の性別…気づいてなかったの?【逆ハー】

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『やっと着いた…』




さてさて、待ちに待ったフランス旅行


ストライキが勃発しなければ良いのだが。



Aは待ち合わせの場所でフランスをまった。


初めてのパリの景色は


明るくて派手で、気分が上がる。



そんな街並みをぼんやり眺めていると


後ろから声を掛けられた。




「ねぇ、そこの可愛い君、俺とこうして巡り会えたのは奇跡だと思うんだけど」




「食事でもどうかな?」と言う聞き慣れた声のお誘いに


彼女は少し伸びた髪をなびかせ振り返った。




『フランスさん、お世辞は要りませんよ』


「え…A…?」




声を掛けてきたのはそっちだと言うのに


なぜかフランスはキョトンとしている。


理由は簡単。



女性に声を掛けたらAだったからだ。


魔法が解けた彼女は今


美しいく輝いているようだ。



フランスは焦った。


あれ、ちょっと待ってよ。


なんでAが女性に見えたの?


今まで男にしか見えなかったのに…。


あれ、元々可愛いかったけど


Aがもっと可愛いく見える!?


なんで!?お兄さん今まで何を見てきたの!?




彼がごちゃごちゃした頭をフル回転しても


「魔法」だなんて思い浮かばないだろう。




『フランスさん、どうかしましたか?』


「えっ、いやぁ…ちょっと考え事」




今までAの上目使いとか気にして無かったが


いざ女の子と気づくと…何これ



すっごくドキドキしちゃうっ。


彼の脈拍は上がる一方だ。


変に意識してしまう。



いきなり俺が女性への扱いをしたら


この子は驚くだろうか。


どんな表情で俺を誘うのだろうか。



考え始めると止まらないものだ。


それと同時に、悔しさも込み上げてきた。


こんな身近に可愛い子猫がいたのに


なんで気づかなかったんだろう。


他のやつは気づいてたのかな?


てか待って、俺なんか断言してたよね。


俺、“世界中の女性は、俺の彼女なんだから”って言ったよね!?




『綺麗な街ですね』


「あったり前さ。何てったって、お兄さんの街なんだから」




観光で店を巡りながら会話を楽しむA。


余裕そうで余裕じゃない世界のお兄さん。


今すぐ彼女の手を引いて自分の胸に飛び込んで欲しい。


そんなことを考えながら



パリを全力で満喫する。



でも今は…




「君で満喫したいんだけどな」


『え?』


「うんん、何でもないよ」



彼はAにそっと微笑んだ。




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