天才・不二周助は私の自慢の彼氏です (ページ4)

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４８話ページ4

私は二人の間をすり抜けて何故か涙目で笑っている英二先輩と大石先輩のところに駆け寄った

『どうしました！？英二先輩・・・プッ』

「鈴村が俺を見て驚いた確率９９%・・・ｶﾞｶﾞｶﾞ」

私は思わず吹き出してしまった

なんとそこには乾先輩みたいに眼鏡をかけてノートを持った桃城くんがいたのだ

しかも若干メカ風なのが可笑しくてそりゃ英二先輩たちが笑っているはずだ、と納得した

「な！？むっちゃ似てるだろ？？」

英二先輩が笑いを噛み殺しながら私に話しかけてきた

『はい！でもこれ乾先輩が見たら怒りません？』

「その通りだ鈴村」

背後から突然低い声が響いた

もともと私の方を向いていた桃城くんと私より先に振り返った大石先輩が同時に顔を青くしていた

「い、乾先輩違うんスよこれは！」

「ほう、どう違うのか説明してもらおうか桃城」

私も遅れて振り返ると般若の形相の乾先輩がいた

「・・・先に言っておくが大石、英二、鈴村も同罪だからな。四人にはこの新作乾汁の試飲者になってもらおう」

とんでもないことになった

周助以外の誰かが飲めば卒倒は免れない代物だ

これを飲むだなんて後免だ！

「に、逃げろｫーーー！！！！」

英二先輩の掛け声によって突如鬼ごっこが始まった

捕まれば命はない、地獄の鬼ごっこが

「フフ、元気だねみんな」

「手塚部長来る前におさまるといいッスけどね」

周助とリョーマは先ほどまでのバチバチはどこへやら、二人して呆れ顔で私たちをを見つめていた

そう思うならとめてよ～！！

そしてその後全員捕まり、乾汁の餌食になった

その日の部活後

『周助さ、あの乾汁ホントに美味しいと思ってるの？』

「うん、とてもね。Aも美味しいと思う？」

『いやいや、見てなかったの？私あれ飲んで思わずぶっ倒れちゃったんだけど！』

「しってるよ、だって倒れた君をベンチまで運んだのは僕だからね」

クスッと笑いながらそう言う周助に何故か少し悔しさを覚えた

が、それと同時にかっこいいなと思ってしまう自分は相当重症である

『飲んでくれればよかったじゃん！そんなに好きなら！！』

「乾汁は好きだけど人が苦しむ姿を見るのはもっと好きだからね」

そう言って悪い顔をする周助に『うわ、腹黒！』なんて言ってじゃれあう

「でも、それよりAのいつもと違う一面を見れたのは嬉しかったな」

こともなげにそう呟く周助に思わずときめいてしまった

そんなこんなで都大会に向けた練習(？)の日々は続く