7 ページ7
.
____you
会場に居たみなさんに挨拶をし
亜嵐くんのDJかっこよかったなぁ
なんて余韻に浸りながら帰ろうと
エントランスへ向かう途中
「A!」
「剛典。」
「1人で帰れる?」
茶化してるのか心配してるのか分からない
剛典が声をかけてきた。
「茶化してる?心配してる?」
「んー、どっちも。」
相変わらずの王子様スマイル。
腹立つわー。
「1人で帰れます、大人ですから。」
あっかんべーをして見せると
「そういうところがお子ちゃまなんだよ、Aは。」
頭にぽんと手を置き笑う。
剛典はいつも私を子供扱いするんだ。
「たーくんて意地悪、たーくんのくせに!」
「やめろ、その呼び方。」
「痛っ…暴力反対!」
デコピンされた。
しかも強めの。
小さい頃は剛典のことをたーくんて呼んでいて
大人になって
その呼び方をすると恥ずかしいようで
怖ーい顔をするの。
全然怖くないけどね。
私も剛典にデコピンをやり返そうとしたら
「残念でしたー。
俺にデコピンやろうなんざ
100年早いんだよ、ばーか。」
手を掴まれ阻止されてしまった。
悪戯っ子のように笑う剛典。
「もう!じゃあ、帰るね。」
「おう、気をつけて帰れよ。」
剛典はバイバイって手を振り
また会場に戻って行った。
誰も居ないエントランスはちょっと寂しくて
現実に引き戻される。
小さく溜息をつき
出口へ続く階段を上ろうとしたら
「Aさん!」
振り向くとそこには亜嵐くんが。
「亜嵐くん… 」
「これ俺の連絡先、書いてあるんで!」
そう言い残し1枚のメモを渡され
嵐のように亜嵐くんは走って会場へ戻っていった。
いったいなんだったんだ。
「やばっ、電車の時間。」
メモを手帳に挟めて駅へと急いだ。
255人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちゃむ | 作成日時:2018年12月28日 23時