14 ページ14
.
____you
実家が喫茶店をやっている。
小さい頃からお客さんに
可愛がってもらっていた私。
お父さんもお母さんも毎日楽しそうに
幸せそうにお客さんと触れ合う姿を見て
私もいつかお店を持って
コーヒーで周りの人を笑顔にしたい
それが夢の一歩だった。
「どっちが先に夢、叶えるか競争な!」
「Aなら大丈夫、絶対叶えられるから。」
どんなときも
剛典は背中を押してくれたね。
負けず嫌いな私は
剛典に負けたくなくて
我武者羅に夢を追いかけた。
剛典がデビューするよりも早く
私は「little」って名前をつけて
小さなカフェをオープンさせた。
「たーくんに勝った!やったー!!」
「剛典な。超悔しいけど…オープンおめでと。」
「ありがと。」
「これさ、オープン記念ってやつ。」
そう言って渡されたのは
赤いリボンがついた小さなクマのぬいぐるみ。
リボンにはお店の名前と
私の名前が刺繍してあった。
「A、クマに似てるから。」
「可愛いところが?」
「ちげぇよ!子どもっぽいとこが似てんの!」
「意味わかんなーい!
私は大人のレディーですー!」
くしゃくしゃって私の頭を撫でる
大きくて温かな手。
その手が私は大好きだった。
幼馴染の大好きなお兄さん。
それ以上でもそれ以下でもない
大切な人。
255人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちゃむ | 作成日時:2018年12月28日 23時