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side ( ryusei )
優秀なチームとよく内部から言われている俺達は、その言葉通りにしっかりと依頼を解決しました。
やっぱり現場は緊張した。家との空気感の違いに、心が落ち着かなくなる。今はすっかり眠りの城の上で寛いでいるが、思い出すとそれでも緊張する。それなのに、隣に居る此奴は、何なんだ。俺を好きすぎるのではないだろうか。
「っあぁ〜つっかれたぁ、」
「お前の数倍は疲れさせられた俺の気持ちを
考えて欲しいなぁ、」
「えぇ?そんなにくっついてへんやーん
俺結構我慢したしい」
「本間に、もう、阿呆。」
「あっ、ちょっ流星、離れんで」
無事に依頼は終えたけど、この隣で暢気にいてる奴のせいで疲労はえげつない。
距離が近いねん。俺しか見てないし、正直鬱陶しい。仕事に集中せえ、言うても聞かんし、もう半ば諦めてねんけど、やっぱりしんどい。離れろ、いい加減。
「明日は依頼無さそうやし、濱ちゃんに癒して
もらおうかなあ、」
「えぇっ、俺とおるんとちゃうん!せっかく可愛が
ろうと思ってたんにい」
「俺が疲れるやろ、あと、可愛がるって言うな。」
「やって流星可愛いもーん。間違ってませーん。」
「もう、なんやねん。」
望と居ると、本当に疲れる。まあまあゴリゴリの俺を可愛いと言ってくるし、ずっとくっ付いて来るし、
風呂に乱入された時もあった。その時は流石にすぐドア閉めたけどな。鈍い音と唸り声が聞こえた気がしなくもない。
でも、それが案外悪くない。もう慣れただけなのかもしれないけど、今はこいつが居ないと少し寂しくも思う。口から脱出していく言の葉達は少々鋭いものになっているかもだけど、素直になれないだけだ。
望が、好き。
大型犬みたいなやつに愛されながら、濱ちゃんという最大の癒しまで俺を愛してくれるんだから、俺は相当幸せ。前世ではかなり徳を積んだと予想している。
こんなに幸せで良いのだろうか、と悩んだ時もあったけど、2人がそんな俺の心配を軽く吹き飛ばす位に一緒に居続けてくれたので、そう思うのは辞めた。
やっぱり、明日は3人で居ようかな。最近離れがちやったし。それに、今は何だか2人に甘えたい気分だ。
「なあ、望、」
「ん?流星どうした?」
「明日は、俺にちゃんと付き合ってな。」
「___ん。」
俺の言いたい事が伝わったのだろう。頭を一撫でして、腰に抱きついて来た少し後には、もう眠ってしまっていた。
狡いなあ。望は。敵わない。
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作者名:おみかんぽ | 作成日時:2020年2月8日 21時