とくべつな人達の短編集 (ページ7)

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side ( tomohiro )

各メンバーの行動を外部から見るのは、中々に面白い。司令塔として指令を飛ばしながらも、毎回皆をモニター越しに観察してしまう。
バラッバラな人達なのに、どうしてこうもまとまってサラッと依頼を解決してしまうのだろう。未だに分かりそうにない事やな。

そんな事はさて置き、今は金持ち家の娘救出&旦那逮捕大作戦(名付け親_中間淳太(笑))が決行中だ。動けるしげ,濱ちゃんは、救出隊に。いざという時にも対応可能な若い流星,望は家族一同が集まるリビングに。金持ちがゴネった時に説得してもらう為に淳太、ボディーガードに照史をそれぞれ配置している。

おお、旦那が誘拐犯どもと連絡取ってる。望が緊張感ゼロの顔で横におる流星見とんな、もう少ししっかりしてくれ。
今にも手繋ぎそうやけど大丈夫かな。こっそりキスしてる時もあったからな、俺見えてんねんで。__見せてんのか。

あ、流星が望をどついた。結構な勢いやったから、あれ望やなかったら倒れてたな。ていうか、本当にしっかりしてくれ、一応大事なとこやねんから。

__そろそろあの2人に誘拐犯どもをとっ捕まえに行ってもらおう。さっきから無線越しの2人からの催促が激しい。面倒臭いのでやめろ。

「2人とも、そろそろ突ってええで。」
『やっとかあ、待ちくたびれたで、』
『ほんまやな、骨バキバキ言うてたわ。
あ、神ちゃん今日の晩御飯何？』

濱ちゃん、俺は2人からの催促に余計な体力使わされたで。
しげ、それは今聞くな。

「ええから、早く行って来いや。ここまで来て
ミスりましたとか言うたら、2人だけ晩飯闇鍋
やからな。」
『えっ、しげ、ミスったら俺ら2人闇鍋やって、』
『っそんなん嫌やあ、濱ちゃん頑張ろな。』
『頑張るしかない。』
「ほらほら、___いってらっしゃい、頑張れよ。」

っぅしっ、というどっちかの吐息が聞こえた後、元気よく2人が駆け出して行った。あの調子なら大丈夫だろう。
心なしか、しげの勢いが凄かった気がする。何でやろ、

いってらっしゃいって言ったから？
それとも、闇鍋って言ったから？

まあ、どっちでもいっか。
今日の晩飯は何にしよう。そんな事を頭の片隅に置きながら、意識をモニターに移す。

もう少し経ったら旦那も逮捕してもらうか。旦那の気が緩んだ内に流星と望にバシッと行ってもらって、それで作戦は終わるだろう。

また明日も依頼かな。じっくり観察でもしておこう。楽しみ。