とくべつな人達の短編集 (ページ4)

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side ( takahiro )

____ぁーっ。今日も良い目覚め。
まるでどっかのアニメのヒロインみたいな事を思いつつ、自由に動けないなりに伸びをしてみる。

何故自由に動けないかというと、それは直ぐ左側に愛しい愛しい恋人がすやすやと寝ているから。
軽く揺らした位で起きるとは到底思っていないが、まあ、一応という事で、
(因みに1番端でぐーすか寝ている奴の事は
そんなに気にしない。どうせ起きひんし。)

伸び終わったので、何気なく恋人を観察してみる事にした。
何度見ても飽きる気がしない彼の顔は、まさに彫刻レベルの美しさ。本当に同じ日本人なのかと最初は疑った。大っきな目に、高ぁい鼻。凛々しい眉やらが綺麗に、均等に配置されたその顔は、本当に美しい。世間ではこういうのを"かっこいい"って言うんやろうな。本間に好き。

せやけど、いっぺん眠ったらまた表情が変わんねん。緩く開いた口元に、ぴっちり閉じられてる目。
小ちゃい子どもみたいになって、これがもう可愛い。天使って言うんかな、女神とも言えるな。

眠っている彼の表情を見れるのは、俺の特権。さっきぐーすか寝てる言うた奴は、朝に激弱やから、
何があっても絶対起きひんねん。せやから、この
可愛い表情は俺が独り占めできる。
奴はそれを悔しがってんのか、彼の左腕を抱いて、肩にぴったり顔寄せてるんやけどな。幸せそうに
寝てるわ、奴。

そんな事はさておき、そろそろこの2人を起こした方がいいだろう。昨日は依頼があったとはいえ、もうかなり寝た気がする。気持ち良さそうに眠る彼を起こすのは非常に辛いが、ここは心を鬼にしなければ。まあ、起きる瞬間もめっっちゃ可愛いから、
そこまで苦でもないけどな。

「りゅーせー、りゅーせ、起きて、朝やで」

........起きない。知ってた。

さあ、今日はどうやって起こすか。
ここは、やっぱりあれで行くか。俺にはあんまり似合わへんけどな、

_________。

「んぅ___っ」
「お、起きた。おはよう、流星。」

「ぉあよぅ、たぁか___ 」

ぼふっと流星がこっちに倒れてくる。あかん、可愛過ぎる、耐えな、耐えな、起こさな、

「んふふっ、もうちょっと、このまま、」
___このまま、あかん？

抱き着かれたまま、女神の様な微笑みでそんな事
言われたら、もうあかんやん、

「さっき、たかがちゅーしたん、しってんで、」

「なぁ、___もっかいして、あかん、？」

__もう少し、彼を独り占めしても良いか。