*お昼の温かみ ページ13
side ( nozomu )
神ちゃんが作ってくれた美味しい美味しい昼飯を食べ終えたお昼ちょっと過ぎ。
これ言うと皆からは「子供か、」って返ってくるからあんまり言わへんねんけど、やっぱり、この時間はすごーく眠なる。瞼がゆっくり閉じていくねんな。抗えない。
俺の体は何とも正直で、今もソファーに座ってうとうとしてもうてて。
本間はこれから淳太に悪戯を仕掛ける予定やったのに、このままじゃ本格的に寝てまうわ。
「なんや、望。そろそろ寝るんちゃう、」
あーっ
この程よく響いてくる低音ボイス、柔らかで優しい声色、ますます俺の眠気を加速させるテンポ感…
「__ん、まだねえへん。りゅうせ、おこしてや。」
「寝るやろ、起こすんめんどい、」
ありゃ、出て来た言葉は優しくなかった。
でも、丁度いいな、流星にちょっかいかけよかな。
「えぇ__おーこーしーてっ
おこしてくれたら、おれがしばらくひっついたる」
「なんやねん、それぇ、余計大変やな、
…寝てもええやん。最近寝れてへんやろ?」
やっぱり優しかった。俺を起こすどころか、近くに来て、愛犬を撫でるかのように頭を撫でてくれる流星。
あぁぁ、ますます寝てまう。せっかく流星が居るのに、この時間は無駄にしたくない。
でもなあ、愛する人を目の前に眠りにつくのも悪くないって言うか、寧ろ幸せって感じやけどなぁ。
…ぐるぐる睡魔と闘っていたら、尚眠気が増してしまった。陽射しは相変わらず俺を温め続けるし、流星の手は相変わらず俺のこころを、とかしつづける。
__っそろそろ、あたまが、まわらんくなって、
りゅうせが、かあぃいめぇでみてて、
なんか、もやあってなってて、
でも、あ、気持ちい。やばい、
「ふわふわやな。望。あ、
___ふふ、おやすみ。」
最後にぼんやり覚えているのは、マリアの様に微笑む恋人の姿と、ギリギリのところで掴んだ、すべすべの手の温もりやった。
「__ん?流星、そこで何してんの?」
「ああ、濱ちゃん。今な、望の寝顔見てんねん。」
「ふは、ぶっさいくやなあ、」
「んふふ、撮っとこかなあ、これ。」
「ええやん、それ、」
「___寝顔の写真、増えてくなあ。」
「そうやな。いや、
実はここ最近寝てへんの気付いててん。
休んどき、言うても頑なに休もうとせんから。
流星のお陰やな、」
「良かったわぁ、寝てくれて。
これでゆっくりしてほしいわ、」
80人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:おみかんぽ | 作成日時:2020年2月8日 21時