１４ ページ16
今思えば要らん気遣いが働いたなって自分でも後悔してる
でも、あの頃のうちにはこういうやり方しか思いつかんかったんや
ウチがもし本音を言うてしまったら
あんたと離れとうないって言うてしまったら
あんたのその綺麗な顔はこの先も曇り続けたままかもしれん
優しいあんたのことやからずっとウチのこと心配して苦しめてまうかもしれん
それやったらいっそのこと・・・
そう思ったらウチの口は勝手に開いとった
溢れだしそうな思いと涙をを奥へ奥へと押し込んで
貴「そんなん・・・」
いっそのこと
憎んで
嫌いになって
貴「あんたが嫌いやからに決まってるやろ。ウチはあんたのこと友達やと思ったことなんか一回もあらへん。自惚れんなや」
ワスレテ
そのあとのことはうちもよく覚えてない
ただ覚えてんのは蔵ノ介が泣いてたこと
無言でその場から去っていったこと
男の癖に泣くやなんて案外あいつもヘタレやな、なんて独り言を呟いたウチの泣き顔を駆けつけた謙也に見られたこと
謙也にも蔵ノ介に言うたのと同じようなこと言うたけど謙也は何故か優しく微笑んでウチの頭を撫でた
次の日
ついに引っ越しの日
見送りに近所の人と謙也の一家が来てくれた
白石一家も来てくれた
せやけど蔵ノ介だけは来んかった
当然ちゃ当然やけど
やっぱり
やっぱり
悲しい
友「くーちゃん何できーひんねん！！Aちゃんごめんなー！」
蔵ノ介の妹の友香里ちゃんが悔しそうにウチに謝ってくる
貴「ええねん、友香里ちゃん。ウチは皆が来てくれただけでも嬉しいよ」
謙「A・・・」
謙也が悲しそうな目でウチをみとった
貴「何で屋上で嫌いって言うたのに見送りきてんねん・・・」
謙「アホ、あんなん嘘やって気づかん方がおかしいっちゅう話や！」
貴「せやけど蔵ノ介はしっかり真に受けてたで」
謙「蔵かて気づいとったやろ。ただ、引っ越しの件お前に隠されとったこともあって、嘘やわかっとってもこたえたんやろ」
貴「謙也は怒らへんの・・・？ウチが黙っとったこと」
謙「怒っとらんとは一言も言うてへん。でもお前のことやから単に言い出せんかっただけやろ？蔵かてわかっとったやろうし、でも他でもないお前のことやから、Aのくちから言うてほしかったんとちゃう？」
ウチは気づいたら泣いてた
謙也はそれを指で雑にぬぐって、あっちでも元気でやれよ！と渇をいれてくれた
そしてうちらの一家は車で空港へ向かう
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 8人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
花海アリス(プロフ) - ホントだ、ご指摘ありがとうございます！！蔵ノ介ですね！すみません、なおします！他にも何かあったら言って頂けると嬉しいです！ (2022年2月22日 12時) (
レス) id: 23b2334824 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - はじめまして、小説読ませて頂きます！すみません、もしお気づきでしたら白石くんの名前の漢字間違えていらっしゃるのでお手隙の時に直された方がいいかもしれないです。突然失礼致しました。 (2022年2月22日 11時) (レス) id: ed37ae653c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：花海アリス | 作成日時：2022年1月3日 15時
