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貴「この大ボケクラス・・・!」
この日、飼育委員会でウサギのエサやり当番やったウチは、憩いの給食時間を裂いてまでウサギと戯れに小屋に足を運んだ
正直この上なく面倒やったが、不思議と足取りは軽かった
理由はこの委員会を選んだ理由
ウサギと戯れたいわけやない
ウサギ小屋から一階にある5年生の教室が見える
5年2組と書かれた教室には、うじゃうじゃおる人の中からすぐに見つけられるほど整った顔をしとるミルクティー色の髪をした少年がいる
蔵ノ介や
もう給食を食べ始めとるそのクラスでは、パンの袋を穴も開けずにギュッと握って破裂音を出したり
ハンバーグのおかわり争奪戦もといじゃんけんをしている男子たちがばか笑いしながらはしゃいでいる
じゃんけんのメンバーのなかに飢えた獣の目をしてハンバーグを狙っているもう一人の幼馴染み謙也がいたことはスルーしておこう
その男子に共通して言えることは皆蔵ノ介の周りにおるということや
破裂音をクラッカーのようにして遊ぶ男子たちは、お前もやれよー、と蔵ノ介にじゃれてみたり
ハンバーグ争奪戦の敗者となった謙也を始めとする数人の男子が蔵ノ介のもとに来て勝者への愚痴をこぼす
それを困ったように笑ってなだめる蔵ノ介はなんともかっこよくて
ウサギに人参をあげながら見惚れとったウチの口元が思わず緩む
あー、蔵ノ介はモテるんやろなー
まぁ、あんだけ格好よくて優しくて運動できて、おまけに頭もええんやで?
今ざっと見渡しただけでも頬を赤くして蔵ノ介を見とる女子が何人いることか
蔵ノ介が好き
その事実はそのときもウチを困らせとった
嫉妬やったり自分じゃ釣り合わへんという自己否定がより強くなったりと、自分の醜い部分をこの感情は有無を言わさず教えてくる
その時、悶々と考え込むウチに気づいた蔵ノ介と目があった
蔵ノ介は最初こそ驚いた顔をしたが、ニッと太陽のように眩い顔で笑った
それにドキッとしてしもうたウチは先程のマイナス思考はどこへやら、もう何もかもどうでもええぐら
い幸せやった
そんなこんなで行きよりももっと浮き足だった帰り
教室に帰った時、早い奴はもう食べ終わってて、他の奴らもあと5分もあれば食べ終わりそうなくらいやった
ヤバイと思って急いで席に着くとウチは給食を見て唖然とした
貴「ハンバーグない・・・」
そしてそれの代わりにお皿に大量のミニトマト
トマトはウチの一番嫌いな食べ物
怒りで体が震える
そして冒頭の台詞に至る
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花海アリス(プロフ) - ホントだ、ご指摘ありがとうございます!!蔵ノ介ですね!すみません、なおします!他にも何かあったら言って頂けると嬉しいです! (2022年2月22日 12時) (レス) id: 23b2334824 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - はじめまして、小説読ませて頂きます!すみません、もしお気づきでしたら白石くんの名前の漢字間違えていらっしゃるのでお手隙の時に直された方がいいかもしれないです。突然失礼致しました。 (2022年2月22日 11時) (レス) id: ed37ae653c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花海アリス | 作成日時:2022年1月3日 15時