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クリスマス ページ22

……遅い。

冷たい風邪が頬を掠める。韓国の冬に恋人を一人待たせるのは、男としてどうなのだろう。

デッカイクリスマスツリーの周りには、溢れるほどのカップル。手を繋いでいたり、抱きしめあってたり、キスしてたり。

そんなの目に入るはずもない。今は彼を見つけることしか、頭にないのだから。




それから待つこと数十分。いい加減帰ろうかと何回思ったことか。…でも、Aは絶対来てくれるから。いつも約束は破らない人だから。

白い息が出ては消え、それの繰り返し。耳も痛いくて冷たい。

突然背中に重みを感じた。そんなの誰かなんて分かりきっている。

「遅い。バカ」

『ごめん、バイト先の先輩に絡まれて』

その言葉を聞くと、カッとなる。嫉妬したのかな。

「やだ。帰る」

あの数十分間、Aは他の女と一緒にいたから。ずるいずるい!!

『テヒョナッ』

腕を掴まれ、そのまま引き寄せられた。向かい合って抱きしめられる形になった。

Aの呼吸が聞こえる。少し荒くて、ここまで急いで来てくれたのかな。好き。

『ごめん、テヒョナ。ごめん』

必死なとこ可愛い。俺の事しか考えていないとか、無理尊い。好き好きA。


「ここでちゅーしてくれたら許す」


唇を突き出して、いわゆるキス顔。あ、リップ塗るの忘れた!!やばい唇乾燥してる!!

「まっ、んぅ」

待ってなんて言えずに、唇を押し付けられた。

『あ、え、嫌だった…?』

子犬のような目で見つめてくる。

「ちが、くて。唇カサカサだから」

もう一回ちゅーされた。Aの顔が近くて、他の人の顔なんて勿論見えてなくて。

『可愛いテヒョナ。俺のためにそんなこと考えてくれてんだ』

鼻の先が赤いA。意地悪そうにハニカンで、行こっかと恋人繋ぎを自然にされた。

「好き」

『…俺も』

またちゅーした。彼の匂いが心地よかった。

何年か前のそんな記憶。

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りさ(プロフ) - ハッピーエンドがいいです! (2019年3月10日 18時) (レス) id: 75dff0bdbb (このIDを非表示/違反報告)
のあ - めっちゃおもしろいです!! (2019年2月13日 15時) (レス) id: 6ad1841f9d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なつお | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年11月3日 13時

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