テスト後にて ページ11
あれから、数日後の話である。
テストが終わり、油断していたら何故か御令嬢がやってきて、学園を案内された。
その際、御令嬢の義弟であるキースやジオルド王子等、何故か現生徒会メンバーが集結していた。
正直、人間と関わるのが苦手なので本当に良い迷惑だった。
そして、何故かそこで「カタリナは僕/私もの」
合戦が起こり、当の本人は「ほんと、仲良いわね〜」と、呑気に笑っていた。
だけど、一人。私に対して積極的に話しかける人物がいた。あの御令嬢以外で。
私が、ベンチに腰掛けていた時
「ブロークンさん、良ければお菓子どうですか？」
マリア・キャンベル
光の魔力を持っている少女。
簡易的な自己紹介の際、農村出身と言った為
もしかしたら仲間意識を持たれているかもしれない。
「ありがとうございます、キャンベルさん。」
断る理由がないので、ここは素直に受け取る。
それを見て、御令嬢が「私も〜」と言ってこちらに近付いてきた。
「Aさんは、ご両親は何をしている方なの？畑やってらっしゃる？」
そう尋ねる御令嬢の質問に、固まる。
私は、今どんな顔をしているのだろう。
ジワジワと溢れ出す痛みと声
どろどろに溶けた闇
降り積もる暗闇の日々を、
「…死にました。私が、小さい頃に、」
私は、笑えているだろうか。
平気な顔をして、
辺りが静まり返っていた。
気付けば、言い争っていた彼等もお菓子を貰っており、小さなお茶会が開かれていた。
最初に口を開いたのは御令嬢の義弟のキース・クラエスだった。
「ごめんね、うちの義姉さんが無神経な事、」
「ごめんなさいっ！本当に！」
キース・クラエスが言う前に、御令嬢は頭を地に付けていた。
寒気がする、今までの私/俺を取り繕えるだろうか。
「いいんです、気にしないで下さい。カタリナ様、お願いです。頭を上げてください。私なんか、どうだっていいんですよ。貴女がそんな事をする価値、私には、ないんです。だから、どうか」
もう、関わらないでほしい。
その言葉は胸に仕舞う。仕舞ってしまった。
「では、私はここで失礼します。皆様、本日はありがとうございました。」
早歩きでその場を立ち去る。
もう、これ以上は
食べていた筈のお菓子が、しょっぱく感じた。
ふと空を見上げる。
空は、泣き出しそうな色をしていた。
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両儀家の畳(プロフ) - カメ豆腐さん» ありがとうございますとても嬉しいです！！！ (2020年5月2日 0時) (
レス) id: 828b8ad4db (このIDを非表示/違反報告)
カメ豆腐(プロフ) - はめふらの小説あるなんて！続きが楽しみです！これからも更新頑張ってください！ (2020年5月2日 0時) (レス) id: dc76f76660 (このIDを非表示/違反報告)
両儀家の畳(プロフ) - 怜奈さん» ありがとうございます！！更新意欲がとても湧くので感謝です！！！ (2020年4月25日 14時) (レス) id: 828b8ad4db (このIDを非表示/違反報告)
怜奈(プロフ) - いつも、楽しみに見ています！これからも更新頑張ってください！ (2020年4月24日 23時) (レス) id: f5d18b0d48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：両儀家の畳 | 作成日時：2020年4月20日 22時
