歳の差かくれんぼ。(緑) (ページ6)

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6.視線の先ページ6

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ふーん、…と何とも感情の読み取れない
反応をした横山だったけど。

怪しまれませんように、と思いながら
仕事の手を進めた。

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『Aさん、』

「…あ、大倉くん」

『さっき言ってたとこ教えてください』

…っと。覚えてたのか。
しかもわざわざもう一回聞きにくるって…。

もう、断る術もなくて引き受けるしか無かったけど。

『まさかAさんに
また会えるとは思ってなかったです(笑)』

「…そ、だよね、(笑)」

なるべく目を合わせないように、と
手元だけを見ながら返事をする。

『元気でしたか？』

「ん、それなりに」

『……』

「…え、なに？」

返事がなくなり、何やら視線を感じるから
パッと大倉くんの方を見ると

じっと私の手元を見つめる目。

『…結婚、してないですか？』

「なに(笑)嫌味？(笑)」

と、笑いながらも
内心は

"何でそんなこと聞くの"

"なんで気になるの"

"この歳になって結婚してないことに呆れてるの？"

なんて色んな想いが駆け巡る。

『…いや、』

「仕事ばっかして婚期逃したかも(笑)」

大倉くんがどんな思いで聞いてきたかなんて
分かるはずなくて、答えにくい質問も
気まずい雰囲気もサラッと流すしかなかった。

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