歳の差かくれんぼ。(緑) (ページ4)

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4.懐かしい笑顔ページ4

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『今日からよろしくお願いします！』

……えっ…、デジャブ。

一気に心臓が速くなってる。

みんなに囲まれて挨拶する彼は、多分

いや絶対、あの時の彼だ。

バイトに入ってきた時もああやって可愛い笑顔を振りまいて
一気に周りの人を虜にしてた。

「おおくらくん………、、？」

誰にも届かない声が溢れた。

『ん、なんか言うた？』

「……いや、ううん、なにも、」

隣に立つ横山が顔を覗いてきたけど、
今の私の視界には入らない。

『ほんまにイケメンやったな〜』

「イケメン…そうだね、」

このドキドキは、懐かしさ、だ。
そうだよ。あの時とは違う。

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覚えてるわけない。

あの時付き合ってたわけでもない。

あれから連絡を取ってたわけでもない。

ただの先輩のことを覚えているはずがない。

覚えていたとしても再会して声をかけるほどじゃない。

と思ってたのに。なんで？

『Aさん〜〜！？ですよね！？』

昼休憩になるとすっ飛んできた大倉くん。

えっ………？

「えっ……」

咄嗟に話しかけられ、色んな意味ですぐ返せなくて
アタフタしてると

『もしかして…もう忘れました…？』

と、さっきよりも声のトーンが下がる。

…可愛い。じゃなくて。

忘れました？って…逆に大倉くんは覚えてるの？

私なんかのことを？

入社してすぐに駆け寄ってきて話しかけるほどの
存在になれていたの？

「………覚えてる。大倉くん、」

そう呟くと

『…！よかった〜〜！！』

と、またあの満面の笑みを振り撒くから。

久しぶりですね、なんて嬉しそうに目を合わせてくるから。

思い出してしまう。

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