TRICK or TREAT(橙) 完

TorT ページ8

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その日、仕事終わったから帰ろ〜って思って
ふとAちゃんの方見る。




あれ、珍しく帰る気配ないやん。




もしかして、残業？






「ええこと考えた〜！」






俺残業ないけど、あるフリして残っとこ。



いずれ2人きりになるやろ？






「Aちゃん残業？」





何気なく聞くと、いつものようにクールに





「そうです」





って返事きた。






「俺もやねん、奇遇やな〜〜！」





とか言って。


嘘やけどなぁ。




Aちゃんと2人きりになるための口実でーす。






「そ、うなんですか、珍しいですね」





「そー？Aちゃんもじゃない？」






「はい。今日横山さんと
話してたのもこの仕事のことで…」





なんや、突然。



横山くんのことなんか聞いてへん。



わざわざ他の男の名前出すとか
またAちゃんのこと惑わせるで？






「ふーん…」






仕事に集中し始めたAちゃんを横目に
真っ黒のパソコン眺めてたら
周りの社員はみんな帰った。






チャーンス。






「Aちゃん、」






「なんですか？」






パソコンから目を離そうとせーへん。



いやいやこっち見てや。






「ちょっと質問してもいいー？」






「はい、私が答えれることなら」






答えれること、かぁー。



どやろ？



ほんまは答えれるはずやけどな。







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