あのね、わたし。 (ページ9)

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ジェミンくんと、ページ9

｢Aちゃん、明日もお仕事でしょ？どうする？帰る？」
｢…ジェミンくんは帰りたいの？」

とことん可愛くないわたしは帰りたくないなんて言えなかった。週末はどうしても、ロンジュンを思い出してしまう。顔も見たことない彼女を抱きしめるロンジュンを想像してしまう。出会ったばかりのジェミンくんでいっぱいにしてほしかった。

｢俺は帰りたくないよ、Aちゃんとまだ一緒に居たいなって思ってる。Aちゃんは？」
｢わたしも帰りたくない、かも」

｢ふふ。ちゃんと言えていい子だねぇAちゃん。一緒に帰ろうね」

とわたしの手を取るジェミンくん。この人の彼女になれたらロンジュンに愛される彼女みたいにわたしも愛されて、幸せになれるのだろうか。ジェミンくんはわたしの事なんて選ばないのだろうけど。

いつの間にかお会計を済ませてくれていたジェミンくんと手を繋いで繁華街をフラフラ歩く。途中コンビニで水を買ってくれたジェミンくんはどこまでもスマートだ。

｢ココ、入ろっかAちゃん」

ジェミンくんにじゃなければ引いちゃう様な誘い文句すらかっこいいんだもん、狡い。狡すぎる、なんてふわふわ考えて返事が遅いわたしを見て、嫌ではない事を察したのか｢ふは」と笑うとネオンがキラキラと眩しい建物に、わたしの手を引いた。

どうしよう、今日はもうジェミンくんの事しか考えられない。