今更なんなの？の気持ち ページ31
｢彼女と別れた」
｢…は？」
忘れた頃に何とやら、とはこの事だと思う。わたしはジェミンに愛されて幸せに浸りすぎていた。ロンジュンを好きだった頃の事、忘れてた。ジェミンから与えられる愛と、心地の良い幸せに酔いしれていたこの頃。ロンジュンから彼女と別れたとメッセージが来たのだ。
｢とりあえず電話できない？」
｢いや、わたしも彼氏いるから疑われることはしたくないんだけど」
｢お願い、今日だけ。Aちゃんの声が聞きたい」
｢…いいよ、」
久しぶりに彼に呼ばれる｢Aちゃん」は思ったよりも胸に刺さったのだ。ジェミンに疑われたくない。わたしは今、ジェミンの事が好きでたまらないのだ。ジェミンに愛されている今。それがわたしの幸せだと気づいちゃったんだ。
ジェミンに、｢ロンジュンから連絡がきた」｢わたしが好きなのはあなただよ」｢終わったら連絡するね」と連絡をした。変に喧嘩になるのは避けたい。
ロンジュンからの着信にひと呼吸おいて通話ボタンをタップする。
｢…もしもし？」
｢ん、久しぶり。ロンジュン、」
｢元気してた？」
｢…、毎日幸せに過ごしてるよ」
彼女と別れたと言う彼に対しての抵抗だった。もうあなたには振り回されないよ、と虚勢を張ったつもりだった。
｢一緒に暮らしてみたら、すれ違いが多すぎて」
｢他に良いなと思う女の子に出会ってさ」
｢その子と付き合いたくて彼女と別れたんだよね」
｢ずっと見ててくれたAちゃんには聞いてほしくて」
ロンジュンの一方的なそれにわたしは息を呑んで、彼への返事をした。一世一代の思いをぶちまける覚悟で。
｢あのさぁ、ロンジュン。ごめんね？」
一言、謝りをいれたわたしを褒めて。ジェミン。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 915人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：豆腐 | 作成日時：2022年8月2日 21時
