あのね、わたし。 (ページ16)

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会いたかったねページ16

｢なんで何も言わないで帰っちゃったの？」｢あの日から連絡もないし。」｢俺はAちゃんに会いたかったんだよ」

開口早々早口にわたしへの思いをこれでもか、とぶちまける彼はわたしがあの日帰ったことに、その後連絡もしなかったことに、怒っているらしい。

｢あの日帰ったのは仕事だったからだよ、ジェミンくん気持ちよさそうに寝てたじゃん。起こすのも可哀想だったし…」
｢朝起きてAちゃんが居なくて泣きそうだった」
｢…わたしもジェミンくんに帰るの引き止めてもらえなくて泣きそうだった」

｢ジェミンくんが連絡してくれたらすぐ返事したのに、」
｢Aちゃんから連絡が来るかもって、ずっと待ってた」

｢わたしもジェミンくんとまた会えたらなって思ってたよ」
｢ずるい。かわいい。」
｢またこうして会えたからいいでしょ？許してくれる？」
｢…狡いよ、Aちゃん。ずっと会いたかった」

狡いのは一体どっちだ。
慣れてそう、遊んでそうって印象だったのに意外にも奥手らしい彼はわたしから連絡がない事で落ち着かない毎日を送っていたらしい。ギャップに苦しむ。相変わらず全部が甘い彼に顔が緩みそうなのを引き締めた。わたしの表情筋仕事してください。

｢Aちゃん、何飲む？」
｢アイスアメリカーノにしようかな」
｢頼んどくから座ってて～」

｢そういう」関係の男の子と2回目に会う時は大体夜が多いしホテル集合ホテル解散の超不健全なデートしかしないのに。何を隠そう今は14時。ここはカフェ。超健全だ。