あのね、わたし。 (ページ15)

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あの日ページ15

わたしがジェミンくんしか見えなかったあの日ぶりに彼から連絡がきた。…かわいらしいうさぎのスタンプがひとつだけ。

｢……マクオッパ～？」
｢ナナくんからメッセージが来たんだけど」

カモメみたいな眉毛を片方だけ器用に上げて｢本当に？！」と素っ頓狂な声を上げるオッパは中々間抜けだ。｢今更なんなんだ。」とわたしの気持ちを代弁してくれるオッパは流石と言ったところ。

｢何て来たの？」
｢いや、それがよく分かんないスタンプひとつだけなの。揶揄われてるの？なんなの？」
｢A、遊んでる割にそういうの分かってないよね」
｢何が言いたいの、オッパ」
｢だから、若干…男心を理解してないよAは」
｢…そんなの、知りたくもない」

｢ジェミンくん、Aが連絡してくるの待ってたんじゃないの？」
｢オッパ。わたしだってジェミンくんからの連絡待ってたんだよ？こういう時って男の子から連絡してくれるもんだと思ってたの。あの日から連絡来ないからわたし、もうジェミンくんとは会えないもんだと思ってたもん。オッパだって女の子の気持ち分かってないじゃん」

マークオッパに八つ当たりした所で何にもならないことくらい分かってる。迷いに迷って｢ジェミンくん、元気してた？」なんてよく分からない返信しか出来ないわたし。

｢Aちゃん、明日は予定ある？会いたいんだけど」

あの日のジェミンくんを思い出して心がざわつく。

｢お前、痛い目見る前に辞めとけよ」

マークオッパの声なんて聞こえなかった。