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ページ31



「?」

『…だから、言ったじゃないですか。

__舐めたら駄目だって』

「ッ!!?」




左腕を、思い切り引き抜く。


何かを引っ掻くように動かしたその腕が連れて来たのは、巨大な破壊。

体からごっそりと何かが抜け落ちる感覚がして意識が飛びかけるも、奥歯で舌をかみ獰猛な笑みを浮かべることで堪えた。



引き抜かれることを拒んだエースさんの彼岸花が引き抜かれ、己の最期を美しく飾るべく花弁を撒き散らす。
そして呪力の波にそのまま攫われたその花々は、死を象ったまま青キジに襲いかかった。


不意打ちに対応出来なかった青キジの半身が氷となって四散をするのを横目に、私はすぐに横に転がって地面に落ちていた刀を手に取る。




「…あァ、いってェなァ」




私を遺された左目がぎょろりと動いて睨み、それへ私はお返しとして手の甲を己に向けて前に構える。
ギラつく刀身に掌を添え、触れている二点から一気に呪力を落とした。
器が壊れるギリギリまでなけなしの呪力を滂沱と注ぎ込み、今出せる最大火力をそこに吹き込む。



彼岸花を纏った呪力の衝撃波が成した破壊が色濃く残る直線上、パキ、と音を立てて青キジが失った体を復元させた。

氷の短剣が再び生成されるのを見て、私も筋が何本か切れた足を酷使して立ち上がる。


飛び出した瞬間風圧に耐えきれなかった肌に一筋の赤が走るも、それに構わず青キジに向かっていく。




「別に舐めてた訳じゃねェさ」

『いッ?!』

「可愛いお嬢ちゃんに同情してやっただけよ」




青キジによって凍らされ悪くなった足場で動きが鈍くなり、そこを狙われる。

肩に突き刺さった氷剣、透き通った氷に血が伝い、痛みに顔を歪めた。

青キジの手が凍り付いた脇腹に伸ばされ、静かな音を立てて氷が拡がっていく。




『…情けも、同情も、何も要らないですよ』

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なぎしば(プロフ) - 改革さん» ご指摘ありがとうございます。確認したところ訂正すべき箇所が分からなかったのですが、具体的にどのセリフか教えて頂けますでしょうか? (4月20日 0時) (レス) id: 520c46c8a4 (このIDを非表示/違反報告)
改革 - 三話の一方通行って話の中のセリフがおかしかったです。 (4月18日 9時) (レス) id: bf669bb16c (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 作者さんの素晴らしい語彙力で、戦闘シーンの緊張感などリアリティ満載の作品が楽しめました!とっても面白いです、ありがとうございました。 (2月25日 10時) (レス) @page33 id: 991a92c757 (このIDを非表示/違反報告)
なぎしば(プロフ) - わたあめさん» 感想を頂けてとても嬉しいです!更新頑張りますので、これからも飽きずにお付き合い頂けたら幸いです! (5月14日 16時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 凄く面白かったです!テスト前なのに一気見しちゃいました笑更新頑張ってください!! (5月11日 0時) (レス) id: ddaf0618b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なぎしば | 作成日時:2023年2月7日 17時

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