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___《休憩時間、この前のところ来て》




スマホに入った一件のメッセージに、見慣れたカトクのアプリを開く。

未練がましくもブロックされていないその相手は、
Aがその呼び出しに素直に応じると思っているのか。

いつもは可愛らしいくせに時折見せる肉食獣のような視線を思い出し、唇を曲げた。

行ってやるもんかと、既読をつけて返信をせずにスマホを閉じる。

けれどそれを待っていたかのようにブブッと震えたそれをまた渋々開けば、予想通りの相手で。







『…ムカつく』







《来なかったら呼びに行くから》と生意気なスタンプと共に送られて来たメッセージ。

思わずぽつりと漏らしてしまい、
すぐに口を手で抑えて周囲に人がいないことを確認する。

始業よりもずっと早く着いたこの時間、
チラホラと同部署の人は見えるが声が届く距離にはいない。

それに安堵して、ジョングクにAもスタンプを送り返した。







『本当にムカつく』








独特のタッチで描かれたうさぎは、画面の中でこちらを嘲笑するように笑っていた。

ジョングクに送り付けた筈なのに、
やたらと目が合うそのうさぎにもう一度呟いてから、乱雑にスマホをカバンにしまう。

そしてパソコンの電源を入れて、気を紛らわすように早めの業務を始めた。









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作者名:なぎしば | 作成日時:2022年1月21日 16時

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