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『…なんでいるの？』
「ヌナが呼んだんでしょ。それに昨日一緒に飲んだじゃん」
『質問が悪かった。なんで布団の中にいるの？』
「寒かったから」
『掛け布団出してあげたし。布団に潜り込むなんて、私が許すと思った？』
「…ダメ？」
『……………………ダメ』
「ちょっと揺らいだね」
あざとく小首を傾げたジミンを見て、少しずつ思い出してきた。
確か昨日、金曜日に夕飯を食べに来る、という約束通り
ジミンを家に呼んでそのまま晩酌にも付き合ってもらった。
談笑が止まらなくて、
結局遅い時間にまでなってしまったから彼を家に泊めたのは覚えている。
そして、度々泊まる彼のために用意していた敷き布団を
わざわざ引いてやったのも覚えている。
更に、それぞれ布団に潜って「おやすみ」と声をかけたのも。
しかし、目が覚めれば彼はAのベッドに潜り込んでいて。
あろうことか服の中に手を突っ込んでまで彼女を抱き枕にしていた。
一瞬己の貞操を気にしたが、さすがに一線は超えていなかった。
それに安心し、ふと頭の中に自分がジミンに抱かれている光景が思い浮かぶ。
やけに生々しく想像できたそれが恥ずかしくて、ないないと思い切り首を振った。
『ジミナ、もしかしてだけど他の女友達の家でもこんなことしてないよね？』
「しないよ、さすがに。ていうか女の子の家は止まんないし」
『私が女の子じゃないって言いたいの？』
「んふふ、ヌナは別枠〜」
ぽやぽやと、幸せそうな表情で笑ったジミンにAは今度は首を傾げる。
まるで彼が中学生だった時のような、
言うなれば猫を被っている時の喋り方に、眉根を寄せた。
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作者名：なぎしば | 作成日時：2022年1月21日 16時
