＿ ページ34
．
テヒョンと同じように、
イシシ、と悪戯に笑ったジミンは、
次の瞬間奥の方を見て目を丸くした。
俺もそれに従うようにして視線をずらせば、
目に入ったのはテヒョンと＿＿＿＿小柄な女性。
「あ、ヒョン、
あれ、僕の幼なじみです」
数秒＿＿＿実際には一瞬でしかないのだろうが、
俺には時が止まったように感じた。
ドクドクとうるさいほど心臓が脈打ち始めて、
瞳孔がキュッと広がる。
否、この絵を見た時から、
俺の心臓はうるさかった。
だから、目の前の女性を見て、
さらに鼓動が早まったのだ。
これが、二回目の一目惚れだった。
「…ジミナ」
テヒョンと挨拶を交わして
すぐに奥に引っ込んでしまった女性を目で追った。
死んでしまうのではないかと思うほどの
bpmを刻む己の胸を抑えながら、
自分と背丈の変わらない小生意気な弟分を呼ぶ。
愛くるしい顔をしておいて、
時折野獣のような鋭さを見せるその瞳。
それを真っ直ぐ射抜き、
自分の真剣さが言葉にせずとも伝わるように言った。
「カン・Aって、どんな奴？」
「ん？
紹介しましょうか？」
「いや…どんな奴かだけ、教えてくれ」
目の前に俺と彼女の関係を取り持てる
ジミンがいるにも関わらず間接的に聞いた俺に、
そいつは数度目を瞬かせた。
そしてなにかに気づいたようににやりと笑い、
見えなくなるくらいに目を細めたのだった。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 174人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なぎしば | 作成日時：2021年12月2日 21時
