油彩画【YG】 (ページ15)

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罪悪感ページ15

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ユンギさんと出会ってから、
数ヶ月が経とうとしていた。

あの時はまだ
涼しい風が吹き始めた
初秋の時期だったのに、

今はもう手も
かじかんでしまうような
冬真っ只中。

あの電話以来、
ユンギさんとは定期的に
会うようになっていた。

予定を合わせるのが難しいかと
思われたが、彼が

「俺の店でもいい？」

と言って経営している
小さなカフェに
連れてこられた時は驚いた。

あの時カフェに用事があったのは、
おそらく敵情視察的なものなのだろう。

研究熱心な人だな、

と私の中ではどんどん
その他のことも含めて
ユンギさんにプラスの
イメージがついて行って、
カフェや出先で彼と過ごす時間に
確かな喜びを感じていた。

「…あ、A」

今日も、彼のカフェへと向かう。

定休日と看板の下げられた店内へ入れば、
彼は歯茎を見せて
愛らしく笑ってくれた。

ほっとするその笑みに、
自然と私の口角も上がる。

『ごめん、
ちょっと早かったかな』

「いや、大丈夫。

準備してくるから、
そこ座って待ってて」

仕込みをしていた彼は
慌てる様子はなく、
けれどあまり動かない
彼にしては機敏に動いて
奥へと引っ込んだ。

彼が指さしたカウンターに座って
人々が行き交う街並みを眺めると、
先日降った雪は溶け始めていて、
路傍に小さな雪だるまが置いてある。

可愛らしいサイズのそれを見て、

次に描く風景画は
こういうのでもいいかな、

と脳内で構想を描く。

やがて彼が

「お待たせ」

とマフラーを巻きながら
やってきたので、

私は大丈夫、

と首を横に振った。

．