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＿ ページ14
．
「…また、会いたい、なんて」
喉がきゅっと縮まった。
この感覚、
これを、
甘酸っぱい、
そう表現した人は素晴らしいと思う。
まさにその通りだ。
酸っぱくて、
でも甘くて、
不思議な感覚。
『…うん、いいよ』
空腹など気にならない。
この甘い思いが胸と
同時に満たしてくれるから。
例え、
自分が最低であったとしても。
「また後で連絡する」
と言って通話を切ったユンギさん。
忙しい中合間を縫って
電話をくれたのだろうか、
そうだとしたら、嬉しい。
暗くなった画面を見て
一度短いため息をついた。
ため息はなるべく
つかないようにしているのに、
今だけは別。
そうでもしないと、
気持ちの整理がつかないから。
『あー…ほんとに』
隠していた気持ちが
膨れ上がっていくのを自覚して、
わざとらしく乾いた笑みを浮かべた。
．
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作者名：なぎしば | 作成日時：2021年12月2日 21時
