血の少女 ページ32
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毎日が、地獄だった。
全身が痛み、悲鳴を上げれば更に鋭い痛みが身体を苦しめ、嗚咽を漏らせば燃える木を押し付けられた。
傷だらけの体を隠して、ちゃんとおめかしして下町に降りれば、別嬪さんだね、と町の人々に褒められた。
私を傷つけてきた義父母は、そう言われ自慢気に笑い、まだ傷の塞がっていない背を思い切り叩いた。
顔をその時に顰めて仕舞えば、家に帰った時に何をされるかわからないので、私はただずっとにこにこと笑っていた。
泣く事も。
怒る事も。
悲しむ事も。
憎む事も。
叫ぶ事も。
本心から笑う事さえも許されなかった私は。
「____お嬢ちゃん、君は、人生で一度でも楽しいと思った事があったかい?」
笑い続けた。
「____僕はね、君が嬉しくも無いのに笑っている事がとても心苦しいんだ」
笑い続けた。
「____でもいつかきっと、君を助けてくれる神様のような人が現れるさ」
笑い続けた。
「____それまで待ち続けるんだよ、そうすれば、きっと__」
嗚呼、私は知ってる。
この人は鬼だ。
人の醜い部分を隠して、偽善の部分だけを曝け出しただけの、醜い鬼なのだ。
あの人も。
あの人も。
あの人も。
あの人も。
みんな、みんな、みんな。
鬼である。
醜い部分を隠した、鬼である。
そして、私もいつかは___
____嗚呼
____
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____鬼になる。
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Cynic** - 覇戮さん» コメントありがとうございます。返信滅茶苦茶遅れてしまってすみません…ずっと書きたくて、書いてる時も楽しかった私も大好きな作品です。殆ど自己満足に近かったのに、沢山の方に読んで頂き評価をもらえて私もとても嬉しいです。温かいお言葉ありがとうございます! (2020年7月3日 22時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
覇戮 - 完結おめでとうございます。とても良い作品で涙が出てきました。応援してます! (2020年5月20日 14時) (レス) id: 193145533a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Cynic** | 作成日時:2020年2月16日 15時