【戦姫絶唱シンフォギア】―ガングニールを受け継いだ少女―【テニスの王子様】 (ページ5)

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―３―　ライブ直前　～翼・マリア～ページ5

―控室―

「…はい。わかりました」

ピッと、翼のマネージャーの「緒川慎次」は携帯を切った。

翼「響か？」

緒川「はい。今日、河村さんが来れないらしいです。なんでも、お得意様の団体の予約が入ったみたいで」

翼「そうか…。歌音は来てるんだよな？」

緒川「ええ。楽しみにしているそうです」

翼「そうか」

フッ、と翼は笑った。

響に子供ができたという知らせが来たときは、本当に驚いた。
驚いたのは、翼だけじゃない。
あの時、一緒に戦った「雪音クリス」、「暁切歌」、「月読調」、二課の全員も驚いた。
まさか、あの響に子供、ましてや恋人ができるなんて思ってもみなかったからだ。

子供ができたと響自身が知らせに来てくれた。
その時の顔は、本当に嬉しそうで幸せそうだった。

出産にも立ち会い、抱っこもした。
それから、よくお見舞いにもいった。
歌音は翼たちみんなの妹のようなもの、全員が可愛がった。

マリア「珍しいわね。貴女がそんな風に笑うなんて」

翼「マリア」

マリア「そんなにあの子がくるのが嬉しい？」

翼「…それはお互い様だろう」

マリアも楽しそうな顔をしていた。
ライブだからじゃない、もっと別の楽しみさだ。

マリア「フフ、そうね」

翼「歌音が最前線で見ている。無様な姿は見せられないな」

マリア「もちろんよ」

ライブの時間まで、あと数秒。

翼「…行くぞ!!今日、ここにいるみんなに、歌音に防人の歌を聞かせに!!」

マリア「ええ!!剣と槍を持った、私達の歌を響かせに!!」

ダッと二人は走り出した。
ステージに出た瞬間、ライトは二人を照らし出し、歓声は二人を包み込む。

―――奏、見守っててくれ。このステージを

―――セレナ、私のライブ、見守っててね。

それぞれの大切だった人のことを思う。